森里家の日常17

天上界でも話題の『森里家』ですが、ここに来て
とある筋からのたっての願いで、地上研修ってものが
立案され行われる事と相成りました。


「え〜そんな訳で、わたくしが先生役として赴任した
次第ですのよ」
一級神非限定である女神ペイオースは森里家の面々に
事情を説明する。


「まぁ!」
「へぇ〜」
「うわ〜」

と、それぞれの受け取りはそれぞれとして。


「ふぅむ」
森里家の大黒柱であり、主である森里螢一は
この事案が意味する所がどこにあるかを探る。


「なぁペイオース」
「なんですの、森里さん」
「つまり…なんなんだ?」


やれやれ、と溜息を付いたペイオースは
まるで小学生に説明するかのように螢一に答える。


「ここを拠点に地上研修を行うって事ですの」
「それは聞いた」
「喜ばしい事でしょ?」
「…確かに…だが」
「だが?」
「その、研修ってのは良い事としても、研修生は
どこで暮らすのだろうね」


待ってました、とばかりにペイオース


「もちろん、ここ。森里家に決まってます」


そう来たか、と螢一は思う。
しかし考えてもみろ、母屋は平屋で部屋数にも限界が
ある。
しかも天上界から来ると言う研修生ってのは全て女神
さまっ、或いは候補生なのだろう。



女ばっかりだ。あ、女神さまっばっかりか。


どうやら研修施設と言うより、宿舎って感じがするのは
俺の勘違いだろうか。


「わたくしは今回、先生として赴任します。そして」
「そして?」
「森里さんには重大なお仕事を用意してますの」
「え?」
「え?ではないですわ。それはそれは大切なお仕事です」
「だから…ナニソレ?」


ペイオース曰く。


この敷地に女神研修生の寮を構築し、その管理人を
俺にしてもらいたいと。


「あのさ、それはムリ」
「どうしてですの!?こんな名誉、天上界でも」
有り得ませんのに、とペイオース。
「だからね、俺にはちゃんと仕事があるから」


「そうですよ、ペイオース。螢一さんにはバイクの
お仕事があるのだから、無茶はダメです」
「あら、だったらベルダンディーさんが?」
「私、ですか?」
「ええ」


「螢一さんっ?」
なんだかウキウキした表情で螢一を見詰め
「どうでしょ?」
ベルダンディーは微笑みながら尋ねる。



ふむ、我が愛しの妻が楽しそうなのは何よりだ。
やれば良いと思うよ。



そんなこんなで始まる 新しい森里家の物語。



by belldan Goddess Life.



*** *** ***


ご無沙汰しております。なんとかやってます。
もちろんこのお話は架空のものです。
あったら良いな的な。