森里家の日常18

オレンジ色から茜色に変わる時刻は黄昏時と言う
名前が与えられている。
空気が止まる、と言うより風が凪いだ感じが辺りの
世界観を夜に誘おうとしているようで。


やがて蒼色から灰色を混じらせ漆黒の時が訪れたら
ぽつりぽつりと家屋の灯りが点り始める。
そんな時、街灯には懐かしい水銀灯が相応しい気がする。


「もっとも現在ではLEDだけどね」
「うちもLEDに変えてよーけーいちー」
「そんな予算はアリマセン」
「ふふふ…甲斐性無しの面目躍如って所ねっ」
「否定形を賞賛するって、さらにマイナスじゃ」
「そうですよ姉さん、螢一さんは甲斐性無しでは」
「じゃあアリってこと?」
「そうですっ」
「そんな事よりさー蛍光灯は止めてLEDにさー」
「あっ分かった…螢一だけに蛍光灯に執着するって」
「ウルドの駄洒落はなんだかおじさんくさい…」
「だ、誰がおじさんなのよー!」
「いや…根性が、さ」
「おしいわね」
「なにがおしいの!このバカスクルド!」
「あー!バカって言った!バカって言う方がバカなのに」


「姉さんもスクルドもいい加減にして頂戴」
「あ、ゴメン」
「ごめんなさい、お姉さまっ」



そんな感じの森里家の夕食。



by belldan Goddess Life.


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さて、研修生を向かい入れるべく空間タブラーの制御に
とりかかるスクルドだったが、仙太郎君とのデートを
優先したために、その着工は大いに遅れる事となった。