ノルンの泉

スクルドは思う訳だ。

「きっとは白馬に乗った王子さまっは居るの!」と

でもちょっと待てよ? あ〜っと、じゃあ仙太郎は…

自転車だよ?BMXだよ?しかも白くないよ?

「う〜」


でも、大体正義の味方って白だもんねぇ…

そんな事を考えながら、最新号のノベル雑誌をパラパラ見ている。


「あ〜!ほらねっ!ちゃんとソースケのASも白色だもんね…」

その時、彼女に妙案が閃いたのだった。


仙太郎の自転車を白にする 


その頃二人の話題は、ノベル雑誌に連載中の「フルメタル・パシフィック」(爆

と言うシチュエーション・ラブコメで戦闘物だった(意味不明

そこに登場するヒーローとヒロインの、笹原宗助くんと千尋かえでさんは

言うなれば、二人の理想像でもあった(ぉぃ


ところがである、ところが肝心の仙太郎君が最近サブ・ヒロインにご執心で

ちょっと複雑な気持ちの彼女であった(笑)

真に遺憾ともし難いこの事実に、彼女は屈せず

ある作戦を敢行するのであった。




 ***   ***   ***   ***



いったいどんな夢をみているのだろうな?と森里螢一くんは思う訳だ。

読みかけの雑誌を頭に敷いて、ちゃぶ台でスヤスヤうたた寝している

彼の愛すべきベルダンディーの妹の姿を見ながら、ため息をつく。


「螢一さんっ?あら?」

日曜の午後、ワールウインドもお休みだし、今日は彼女を連れて

買い物をして、それからちょっとしたドライブにでもと思って

彼は先に身支度を済ませ、茶の間(みんなのティールーム)を

通りかかったその時の事であった。

「あ、ベルダンディー・・スクルドこのままだと、風邪ひかないかい?」

スヤスヤと何やら笑っているようにも見える妹の寝顔をみて

クスっと微笑むベルダンディー

「そうですね…でも、起しちゃうと何だか可愛そうですし…」

そう言って彼女は、居間にある押入れの中からブランケットを

持って来て、彼女にそうっとかけて

「これで大丈夫だと思います♪」 

「そうだな、きっと大丈夫だ」


おもむろに柱時計を見ると、12時を過ぎている

「おっと、こっちも急がないと…じゃあ行こうか!」

「ええ、そうですね♪」

さあ、と言って螢一くんは彼女に手を差し出す

こくりと頷いて、彼女も自然に彼の手を取った。


ごく自然に


時々、不思議に思うときがある。

手を繋ぐのさえ、照れ臭くて、どうしても出来なかった自分が居た事

今は、ごく普通に…いや、当然の様にこうして手を繋ぐ事が出来るのは

君がいつもそばに居てくれてから…

あ、でもこれも不思議だよな。 でも、とても自然だと思うんだ。

上手く言えないな、と彼は思考するのだった。


そんな事を思っている時は、いつも決まって彼女は微笑んでる

見透かされてるのかな?とも考えるのだが、下らない思いだと

すぐに却下する自分は、ちょっと成長したかな?とも思ったりする


誰にも負けない思いがある。

君をずっと守りたいと言う思い、汲めども尽きぬ泉のように

湧き上がってくる勇気が自分の心に中にある。


そして


それを教えてくれたのは君だ。



END.





おまけ




ほぅ、とため息を付くのはアッシュ・ブロンドを三つ編みにした少女だった。

「ステキですねぇ…」

見ていた本は、日本のコミックだった。

短い滞在だったが、彼女は日本のとある高校に留学をしていた

その時に友達になったある人物からプレゼントされたものだった。


間違い電話ひとつで、大好きな男性と一つ屋根で暮らす…

どんな困難にあっても怯まないで立ち向かう、その二人の姿に

彼女はいたく感銘を受けたのであった。


「私もサガラさんっに・・・」

そう言って、おもむろに電話を取り出した。

そして意を決して、短縮ダイアル7を押す彼女…



何か間違ってるぞ!テッサ!(爆)


あんたが間違い電話してど〜する!