2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

如月 仲春 初花月

2月も終わりだな。 ふたりはいつも願っていた すれ違う時の狭間で思いは 小さな種を育み出していた 時の流れ 季節の彩り 積み重なった想い出は 愛しい夢のカケラたち そろそろ沈丁花の花の香りが周囲を包む頃だと思う。 まだ寒い朝早く、螢一はひとり起き出…

2月の朝 その5

タイツおじさんから、タイツ魔人へ… その頃、猫実工大自動車部の部室から、妙なふたりが現れて 風のように、と言うか疾風と言うか、いや違うな、嵐とでも 言うべきなのだろうか、小さなバイクにタンデムして姿を 消した…。 後に現・自動車部の部長である長谷…

2月の朝 その4

しかし思うのだが・・・いったい誰に提出するんだ? そう言えば本棚に確か一冊の詩集があったような気がする。 著者の名前は・・・何だっけかなぁ、えーと、確か・・・ そんな事をしていると、螢一の部屋の前にあるシルエットが 映った。なかなかセクシーなバディのご…

2月の朝 欄外変

話は少し変わるのだが・・・ ワールウインドにて、今日の日のイベント、つまり バレンタインディに相応しい催しをしようと千尋さんは 用意周到だった。 「・・・これが当りで・・・そしてこれがハズレねっ」 意味深な笑みを浮かべて、終始ご機嫌だった。 俺はそれを注…

2月の朝 その3

そう言えば… そう、以前夢の中で猫に甘噛みされたんだけどさ、それって何か 意味あるんじゃないかなーって思ってたんだよな。 俺の目の前ではちょっと涙目になっている可愛い女神さまっがいて 本来はそんな意味ではないとは思うのだけど、かなり俺を困らせて…

2月の朝 その2

「話は聞かせてもらったぞ!」 それは2月の初め頃の、いわゆる「鬼は外ー福は内ー!」って イベントが始まる超然の出来事だった。 猫実工大大学院の噂の二人は、どこで聞いたのか自動車部の部室へと まるで殴り込みをかけるような出で立ちで登場した。 屈強…

2月の朝

暦の上ではすでに春・・・なのか? 「でも寒いんだよなぁ」 特に起き抜けは一段と寒さが身に凍みる。 布団の暖かさを名残惜しそうにして、螢一は起き上がると すぐさまどてらに袖を通すのだった。 「この格好で出社ってのは、どうにも無理があるよな」 苦笑まじ…