2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

迷宮の掟

それは、奇跡なんだ。本来はそう言うのだけど この街、この他力本願寺の境内では、言うなれば 日常茶飯事な出来事として、天上界から女神が 降臨する事を、朝飯前的感覚で受け止めている。 「ごきげんよう〜」 真紅の薔薇を撒き散らしながら、ペイオースが …

策士、策に溺れる

考えるんじゃない、感じるんだ…これは誰かが 言っていた有名なセリフだ。 俺はバイクに乗って峠を攻めている時に この言葉を思い出すんだ。 風に乗る感じ、空気の層を切り裂くんじゃなくて 何て言うのか、一体になるって感じなんだけど。 「風に寄り添う感じ…

扉を開いて

強固な防壁を突破しようと、あらゆる手を尽くしたが 現状では困難だと判断したウルドは、おもむろに受話器を 取り、天上界へ連絡を取るのだった。 「もしもし〜ペイオースはいるかしら?」 「あ…ウルド…あのその…何の御用でしょうか?」 オペレータのひとり…

扉を守りし者

日中の陽気に誘われて、時々ベルダンディーの 買い物に付き合うのだが、街中での彼女の人気が 物凄いのに、改めて驚く俺がいる。 バイクを駐輪所に預けて、猫実商店街をそぞろ歩く 商店街のご主人達が、ベルダンディーを見つけては 挨拶を交わして行く。それ…

迷宮の扉

森里家には、三人の女神さまっが居る。 彼女らは人間とは違い、エネルギー源を食事等に 頼らないのだが、代替エネルギーとして、それぞれ 嗜好品があった。 その嗜好品ゆえに、度々家計を脅かされてきた主人公 森里 螢一は、ここ最近、少しだが圧迫されてき…

ダイエット大作戦

スクルドが美味しそうにアイスクリームを食べている。 みんなのティールームで、ウルドはそれを見ていた。 「ねぇちょっと…あんた、太るんじゃないの?」 姉の言った、何気ない言葉が、彼女を刺激した。 「ななななっ!太る訳ないじゃないのよっ!」 あたし…

春の雨は

雨上がりの街に 二つの影色濃く チリチリと日差しが 空気を暑くして 刻々と変わる季節の色 風のにおいが 頬をなでる 小さな木陰で 一休み 雨上がりの公園に 木漏れ日のシャワー 匂い立つ緑の幽玄な世界 歩いていたら 忘れていたものを思い出すかも だなんて …

春の雨に

明日の事 占うように 空見上げて 流れる雲 香る春の花 ちりばめて 足音もなく 通り過ぎるのは誰かしら ふりむけばきっと... 気まぐれな天気 夕暮れの交差点 行き行く人に 面影探して こんなに心が彷徨うのは 小さな傷が 痛むからかしら 春の雨に 何度も想い…

君の横顔に

新海誠氏がOPを製作したef-the latter taleがUP されてまして、ネットで確認、それでも飽き足らずに 某げまずへ、確認しに行って来ました。 相変わらずスゲーの一言で、にしても螺旋の階段が 空中から出てくる場面とか、ああ、そうかって感じで 思ってい…

Love me more

―不思議な夜に 後から着いて来る影― 振り向くと、その存在は雲散してしまう。 「気のせいかな?」 家路に向かう道すがら、それはいつもの道 なのだけれど、まるで異空間に誘われるようだ。 危ないアブナイ…俺って、割とそう言う類には 恵まれていて、もちろ…

Ask,and it shall be given you.

あれから1年過ぎた。 どうして俺は、ここ他力本願寺に居るのか そして、どういう経緯で大学5年生で 自動車部の先輩である、藤見 千尋さんの店 ワールウインドで働く事になったのか それを今更問うには時間が経過し過ぎていた。 季節は巡る、それは紛れもな…

I’m only sleeping...

朝晩と日中の温度差のせいなのだろうか とにかく昼間に睡魔が襲ってきて、如何し様も 無い状態が、ここの所続くのだ。 気温に敏感、それは自然界の掟に従う猫にとって もっとも重要な事なのである。 「くわぁ〜」と大口を開けてアクビをすると 縁側で日差し…

April

4月になりました。 近くの公園の桜の木々も、それはそれはたくさんの花を 誇らしげに咲かせています。 人々はその下に陣取って、新しい季節を祝うようにして 祝杯をあげ、歓談し、笑い声があふれていました。 空は少し曇天、でもその中にある空気の、その季…