2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

サクラ三月宵のとき

以前、実家で暮らしていた時、近くにお寺があって 境内には釣鐘堂もあってね、何となく他力本願寺の ような雰囲気をかもし出してしたんだよ。 もちろんこれは勝手な想像なんだけど。 本堂の瓦屋根の上とかにね、もしかしたら女神さまっ が夜空を見上げている…

ある日の…

「ジムの事務日記」その3 そんな訳で、転職を希望しつつ、今までの事務職を 粛々とこなしているジムくんだったが、たこ焼き迷彩の クールなボールくんに言われた、祈るって事が気になって いた。 昼休み、近所の神社へと向かう。 祈るにはやはり、こういっ…

深夜アニメ

「マリアベル〜もう寝なさいな〜」 「わー!ちょ、ちょっと待ってーあと少しだから」 深夜にアニメ、それは日本の定番だ。 そんなこんなで、ほのぼの日常ギャグアニメを心待ちに していた彼女、録画機能とか付いていれば良いのだが、 いかんせん、そこは台所…

ある日の恵ちゃん

今日は調理実習って言うか、久しぶりに長谷川さんの部屋 で料理を教える事になったんだよね。 長谷川さん、地獄のシェフとか色々云われていた時も あったのだけど、彼女はとても努力家で、そこが あたし、とても大好きなんだけど。 ピンポーン。 「はーい、…

ある日の空ちゃん END

もしかして…白馬の王子様っ?それともテニスの王子様って これは別の話か、いやいや、平行世界を冒険する勇者とか、 ってこれって中二病全快じゃないですかー! そんな思いを起こすドンピシャなタイミングでドアは開く。 うっ、逆光でシルエットしか見えない…

ある日の空ちゃん

「ふぅ…あたしだってメガネ属性なんだけどなぁ」 長谷川空の溜息が部室の空気に溶けていく。 そう彼女は猫実工大自動車部に咲く一輪の花…って言うか 紅一点って言うか、現部長って言うか、何て言うか。 そんな彼女なのだが、恋する乙女なのは当然で、しかも …

ある日の千尋さん END

「もはやこれまでか…」 「いや、諦めたらそこで試合終了…」 こんかいのオチ。 とりあえず例の二人組みは「腹がイタイ」とか何とか 急に小芝居を始めてトイレに隠れた。それを確認した 中嶋くんは、何事もなかったように店先に出て、所轄の 担当者に報告し、…

ある日の千尋さん6

「こ、これは…」 確かに怪しい、そして妖しい…かも? それにしてもこのアヤシサ…何か知ってるような 気がするのは何故だろう、数秒考えて、頭に豆電球が ポッと灯る。 恐る恐る、その怪しい二人組みに声を掛けてみる。 「もしかして、田宮さんと大滝さん?」…

朝の風景

慌しい朝の支度は誰の為に? そんな気持ちにさせる彼女の朝は早い。 どれくらい早いかと言うと、朝日よりも、だ。 そっと開けた襖から、愛しい彼の寝顔を 愛でるように見詰め、彼女の朝は始まる。 台所に向かう。朝ご飯の支度は何時もの ルーティンワークの…

ある日の千尋さん5

「おう、そうだった!」 「ああ、忘れちゃイカンな」 作業の手を止め、やおらバックから装備一式を 取り出した、田宮と大滝。 あんたたちの容姿はゴツイんだから、お客さんを 怖がらせちゃダメだぞ、と留守番と頼んだ千尋さんは 「可愛い接客が肝心なんだか…

ある日の千尋さん4

そんなこんなでカツ丼を使い、刑事ドラマごっこを し飽きた三名だったが、ふとカウンター下にある プラモデルの箱に気がついた大滝は 「あれ?先輩、まだ作ってないんですか?」 と千尋さんに言った。 「あれか〜バイクじゃないと、どうにも想像できない っ…