2009-01-01から1年間の記事一覧

下の続きとか。

「…と、そんな夢を見たんだそうだ」 「まぁ…」 みんなのティールーム。その隅に三角座りをして暗くなってる スクルドの様相を、心配そうに見詰めるベルダンディーは、 螢一に言う。 「それで…その後、どうしたんですか?」 「ああ、話せば長くなるけど…聞く…

Christmastime in blue.

「ええっ〜!マジで?」 「そうよ、だって猫実商店街のポスターに書いてあるわよ」 とある小高い丘にある、他力本願寺の横、その母屋の中で ひときわ甲高い声が炸裂した。 「ウ、ウルド…それって、ホントにホントなの!?」 「ええ、本当よスクルド…それに、…

冬休み(仕事中だけど)

冬の雨は、とても冷たいものだけど、でも、ちょっとだけ 暖かな気持ちになってしまった。不思議だけど。 「雪にならなくて、良かった」 スタッドレスタイヤは装着していても、これ以上運転に神経を 使うなんて、とても出来ない、と思った。 車のドアを閉めて…

冬休み

お使いを頼まれた12月の朝に、いつもの通りの路地裏から 声がする。小さな声であたしを呼んでいる気がする。 「誰?」 あたしは路地裏を恐る恐る覗き込む。 毛のフサフサした。それはきっと冬毛だ。 「にゃぉん…」 じっとこちらを向いた瞳は、何かを見据え…

12月の街路で

12月のこの頃には、街頭もクリスマスの電飾で飾られて まるで、世界は着飾った紳士淑女のような佇まいを呈している。 記憶に残るクリスマスってあるかい?そんな自問をして、ふと 傍らで微笑む女神さまっの横顔を見た。 俺たちのクリスマスって、ほんと、…

師走。

このブログも、12月に5年目を迎えました。 感謝の気持ち…には程遠いですが、これまで連載した小話の事を。 初めにお断りして置きますが、お目汚しにもならない駄作です。 「ああっ女神さまっ」二次創作者として、原作に敬意を払いつつ 製作したのは言うま…

君に届けと追い風がEND

「でも…どうしてあんなに回りクドイ事を…」 ロケットパンチの有線を回収しながら、シーグルは尋ねる。 その声に、上を向いてしまった ばんぺい君RXだったが そうすると彼の頭上に、シーグルのスカートの裾が入り込んで しまうのだった。 「バ、バカー!上…

君に届けと追い風が 10

よくよく考えたら、ウルドに借りた、この神衣だけで屋根まで 行けたんじゃないかな? それに踏み台があれば、それは難なく実行出来たと思うんだ。 なのに、何でばんぺい君を砲台にして、シーグルのパンチ受けて こんなに空高く上昇しなければならないんだろ…

君に届けと追い風が 9

晩秋の風が、ベルダンディーの亜麻色の髪をくすぐる。 ふわりと香りを含んだ風、その中にとても懐かしい匂いを感じる。 安心できる時間と場所、それは私の螢一さんっの居る場所だわ。 ベルダンディーは螢一を思う時、自然に頬が緩んで笑みになった。 不思議…

君に届けと追い風が 8

「いっけー!」 螢一は走り出す。何だかとても体が軽い。 多分、神衣の布の特性なのだろうと考える。 フワリとジャンプ台に飛び乗ると、思いの外、体が浮かんだ。 「わわっ…」 そして、そのままシーグルの元へと、上からダイブする格好に なった。 シーグル…

君に届けと追い風が 7

でも、どうしてだか、シーグルを肩車している ばんぺい君RX が、とても幸せそうに見えた。 勿論、彼には表情と言う物が無い。無いのだが、そこかしこに 彼の彼女に対する愛情が溢れ出しているような気がする。 頬を染めて、ふくれっ面のシーグルだが、でも…

君に届けと追い風が 6

そして、しばし沈思していたシーグルだったが、おもむろに 螢一の元へと歩み寄った。 「で、アタシは何をすれば良いわけ?」 ムッとした表情は、そのままムクレたスクルドそのままだ。 「あ、いや…特に何とは…」 とっさに聞かれたものだから、名案は浮かぶ筈…

君に届けと追い風が 5

地上の喧騒を他所に、本堂の屋根の上のベルダンディーは センチメンタルな気分から一転して、今夜の献立にご執心 なのであった。 「どうしましょう・・・秋の旬と言えば?」 顎に人差し指を当て、少し傾けた顔は、少しあどけなくも 熟練の主婦の様を呈していた…

君に届けと追い風が 4

本堂の屋根に、今まさに到達しようとしている ばんぺい君RXだったが、ターゲットのベルダンディーの傍で ある異変が起きている事に気が付いた。 「にゃあにゃあー!」 本堂の屋根裏に住む野良猫達である。 夥しい数の猫達が、ベルダンディーに向かって駆け…

君に届けと追い風が 3

その時一瞬、ばんぺい君RXがうなずいた気がした。 対魔属用汎用兵器、ばんぺい君RXには数々のオプションが 用意されており、如何なる場面にも対峙出来るような仕様が スクルドから施されていた。 ばんぺい君RXは、すぐさまスクルドの部屋に向かい とあ…

君に届けと追い風が 2

思わず飛び出した俺の格好と来たら、Tシャツ一枚だった。 風は少し冷たく感じられたが、むしろその方が良いと思った。 上気した頬に当たる風が、そのまま頭まで冷してくれる。 どんな理由にせよ、彼女を悲しませた事は良くない事だ。 「ちゃんと理由を説明…

君に届けと追い風が

「もしかして・・・」 もしかしたら、もう螢一さんっに私は必要ではないの? 秋の風が深まる、ある11月の夕暮れに、憂いを帯びた瞳の 女神さまっが、お寺の本堂の屋根の上に佇んでいた。 時折冷たい風が通り過ぎて行く。その風に長い髪がさらされて 切なく…

霜月

11月です。しかし慌しいのは終わらないのね。 アフタ「ああっ女神さまっ」原作は引き続きRPGの世界で 藤島氏が楽しんでいる模様ですね。遊んでいる、とも言う? それはともかく、毎月拝読していますが…。 それから、2日発売されてたビジネスジャンプに…

ハロウィンの日

題して『ベルと千尋の紙芝居』って感じなの。 とある10月の晴れた日に、俺とベルダンディーは、いつもの ようにワールウインドへ出勤した訳なのだが、何やら店先が オレンジ色に染まっている。 「わぁ〜可愛いですねっ 螢一さんっ」 目を丸くして微笑む女…

あれあれ?

「あれっ?」 スクルドは首をかしげる。それは最新号の『どぼん』に 連載中だったお気に入りの漫画の休載記事を目にしたからだ。 「ああん…続きがとっても気になっていたのにぃー!」 その漫画とは… 『ご近所魔法少女ルナルナ2』だった。 あらすじをかいつ…

あれぇ?

心に去来するのは、いつも螢一さんっの事ばかりで... 小さな想い出も、感動的な再開も全て、ここにあるから。 どうして人は、こんなにも愛しいのかしら、と自身に問う。 それはきっと私、螢一さんっを知ってしまったから、だわ。 懐かしい過去を思い返して見…

それが奇跡ってもの

日中の日差しが嘘みたいに寒さを運んで来る夕暮れ時は 近くの公園の長く伸びたブランコの影を見る度に思う事がある。 もしかしたら、君に出会わなかった俺って、とても平凡で 途轍もなく普通の人生を、ごくごく普通に生きてのだろう、と。 繋いだ手の温もり…

女神さまっ

何もほしくは無いんだよ なのに君は聞いてくる「あなたの願いは何ですか」 風が運んで来た季節 変わる時の中にでも 変わらないものって あるんだって思った 「それって何ですか」 俺は、何もほしくは無いんだよ 君の他には。 初めて歩き出した幼子のような …

神無月

う〜ん、なんて言うか、今月の忙しさは異常だ。 「はふぅ…」ヒマだな。 大欠伸をした螢一は、ごろりと畳に寝そべった。 そう、ここ森里家には、姦しい女神さまっがご滞在している のだが…今日はとてもシーンとしている。 留守にしているのだろうか。 「日本…

あの日の想い出

「あれ?…これって…」 読み掛けの雑誌やら本などを片付けようとして、彼方此方に点在して いた物を集めていた所で、どれかの本の中から、一枚の写真がひらりと 舞い落ちて、目の前に止まった。「なんだろ?」と裏返った写真を 捲って表面を、つまり写ってい…

天上界の人々(主に女神)

アフタ最新号〜さてさて、次回は?! それはそれで、置いといて 毎度お馴染みの女神マンガのオマケ面白かったですね。 公式(ですよね?)で、あんな自由奔放に描けるなんて なんて幸福なんでしょう。それもこれも、女神さまっの ご加護なんでしょうか。 文章…

秋の音楽

思い掛けない休暇に、俺とベルダンディーは、みんなを 出し抜いて、こっそりと外出した。いや、外出に成功した、 と言った方が正解だろうか。 目まぐるしく変わる秋の気候なのだが、日中は暑いくらいだ。 それでも時折通り過ぎて行く風は、秋の季節感を運ん…

秋の夜長に

最近、少し音楽よりな感じです。 アニソンも聞くし、ジャズもクラシックも聴きます。 音楽のジャンルなんて、かんけーねぇです。 過去の画家さんの絵も、現代の漫画家さんの絵も好きです。 そしていつか時を経て、またまた様々なジャンル分けされると。 個人…

秋の休暇に

さて…マリアベルとカレンの”包囲殲滅作戦”なのだが 何を包囲して、何を殲滅しちゃうのか...。 日頃、父である所の森里螢一からは 「何でも人に頼ろうとしないで、まず自分でしなさいっ」 との教訓を頂いている娘マリアベルにとって、自助努力は 言うなれば、…

コイバナ

とある作戦会議室で、将校ふたりが何やら画策している。 ヒトヨンサンマル、そう三時少し前の話だ。 「名付けて ”包囲殲滅作戦” よねっ!」 「だよね…って言うか、有りのままじゃない?」 「う〜ん…もっと、こう、オシャレな呼び名って無いかな?」 「そうだ…