2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

皐月の終わりに

去り行く日々は 儚げに 振り向くような 花の残り香 蜃気楼 陽炎 寒暖に身を震わせて 空覆う 曇天に 瞳閉じて 泡沫の世の なんと脆い絆よ 風が吹き 天気雨 予感だけ感じる 考える暇も無い 歪んだ時間に 咲き誇る華 それが何 それが何? それが真実だとでも言…

スクルドの異世界探訪

「だからー!あんたの説明が悪いのよっ!」 「なーに言ってるの!ちゃんと出来ないからって、そんな 言い訳は聞かないわよっ!」 ここは他力本願寺、その隣接する母屋の庭での事。 麗しい女神さまっふたりが、何やら大声で喧嘩を始めた。 あんたの説明が悪い…

どうなるの?

机の引き出しの3番目の奥には、魔物が潜む。 誰にも気取られてはいけない。悟られてはダメだ。 誰も居なくなる時間、俺はそっと確認してみる。 そこに鎮座する異界の者どもよ、案ずるなかれ。 やがて時がみち、下界に召還しようぞ、と。 「なんてね」と螢一…

雑記あれこれ

最近聴く音楽とか 「Perfume」は関連の動画から。 「Carpenters」全般とか「Burt Bacharach」全般。 それらがループして、何でだろうか、お話を書いて ここに掲載しているって言う。 たぶんキーワードは「Pops」なんだろうけど、でも 本人は、何と言うか、何…

未来へ 思い込めて。

寒暖が目まぐるしく変わる日々に 仙太郎とふたり、何となくだけど商店街を歩いて ウインドーショッピングしたり、アイスクリームを 食べたり、まるでデートのようだわって思うと 顔に出ちゃうから、あんまり考えないようにしようっと。 「ねぇ、スクルド?ト…

5月の雨(完)

突然の雷雲、突然の雨に少しの不安はあったけど でも大丈夫、螢一さんっなら大丈夫だと思ってた。 きっとどこかで雨宿りしながら、歌でも歌っていて 突然の出来事を、楽しくすごしているに違いないと。 私は正門に向かい、表通りを見つめてた。 暗転した空、…

雨に謳歌う

「虹だぁ〜」 それは雨上がりの、水と光の屈折から織り成される 現象だと知っている。科学的に少しは理解もあるが それでも今、この状況下で虹を見ると、とても とても感慨深いものがある。 壮大な自然の芸術なのか、それとも天上界からの メッセージなのか…

雨の日の魔法

その時、どうしてだか「雨にぬれても」って歌が 心の中に去来し、そのメロディーを歌おうとして いる自分がいた。 「痛っ...」 どうやら利き腕をかばう様にして、反対の腕を 地面に叩き付けたらしい。 ゆっくり指を動かしてみた。動く…痛みはあるが 骨折は免…

突然の雨にやられて

自転車は裏門から出て、正門へ回り 表通りに出る。行きは坂を降りるので 幾分楽なんだが、帰りがなぁ〜と螢一は 溜息を付いた。それでも空は快晴に近い 青空で、まばらな雲の白と空の青さが とても心地良く感じられた。 「よしっ 行くか!」 おもむろにペダ…

天使の歌

セーブする時間 まるで蓄えられた瓶から 飛び出しそうな勢いで 空へと駆け上って 螺旋描く その 音楽のような流れに乗り 天使の歌が 荘厳に奏でられて行く 風がその 琴線にふれる ゆらり ゆれる まるで呼応するように 重なるハーモニー 旋律に取り巻いて 着…

五月の雨

そろそろオイルの切れる頃だとは思ってた。 バイクのメンテナンス、それは俺の仕事でも あるし、そう、人生と言っても良いくらいだ。 そんな訳なんだが、いかんせん人には、ド忘れ と言うものがあるらしい、あるらしいと言えば 他人事のようだが、今日はその…

その 願いは

下拵えを済ませたラビオリ たっぷりなお湯を湛えたお鍋に入れて 一つまみのお塩をさらりと加えた。 みんなのティールームの柱時計、ちらりと 見据えて、時間が来るまで一休みしましょう。 鍋の中、くるくる踊るラビオリの群れ。 私、クスクス笑顔で見詰めて…

ふたりの音楽

走り出す前から感じる香りは やがて風を孕んで 季節の音楽を奏でるのね。 螢一さんと、こうしてただ走っているだけ それだけなのに、どうしてこんなに嬉しいの? 彼の後、少し後ろから追走していると 楽しくて、このまま、どこまでも行けそうな そんな気がす…

ダイエット大作戦(完)

それは、ひょんな事から始まった。 言い出しっぺのウルドは、そんな事、言ってない と主張するのだが、天上界からペイオースまでも 引っ張り出しての工作に、どう言い訳するのだ? 本来、女神さまっにはダイエットなんぞ必要ない。 それは初めから分かってい…

神々の宴

他力本願寺の母屋には、見目麗しい女神さまっが居る。 それも三人もだ。そして今回は、新たな女神さまっの 降臨もあって、場内は騒然としていた。 「わわわ、わたくしにもダイエットですって!」 藪から棒にそんな事を言われ、腹立たしいやら情けない やらの…