2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

君に届けと追い風が 10

よくよく考えたら、ウルドに借りた、この神衣だけで屋根まで 行けたんじゃないかな? それに踏み台があれば、それは難なく実行出来たと思うんだ。 なのに、何でばんぺい君を砲台にして、シーグルのパンチ受けて こんなに空高く上昇しなければならないんだろ…

君に届けと追い風が 9

晩秋の風が、ベルダンディーの亜麻色の髪をくすぐる。 ふわりと香りを含んだ風、その中にとても懐かしい匂いを感じる。 安心できる時間と場所、それは私の螢一さんっの居る場所だわ。 ベルダンディーは螢一を思う時、自然に頬が緩んで笑みになった。 不思議…

君に届けと追い風が 8

「いっけー!」 螢一は走り出す。何だかとても体が軽い。 多分、神衣の布の特性なのだろうと考える。 フワリとジャンプ台に飛び乗ると、思いの外、体が浮かんだ。 「わわっ…」 そして、そのままシーグルの元へと、上からダイブする格好に なった。 シーグル…

君に届けと追い風が 7

でも、どうしてだか、シーグルを肩車している ばんぺい君RX が、とても幸せそうに見えた。 勿論、彼には表情と言う物が無い。無いのだが、そこかしこに 彼の彼女に対する愛情が溢れ出しているような気がする。 頬を染めて、ふくれっ面のシーグルだが、でも…

君に届けと追い風が 6

そして、しばし沈思していたシーグルだったが、おもむろに 螢一の元へと歩み寄った。 「で、アタシは何をすれば良いわけ?」 ムッとした表情は、そのままムクレたスクルドそのままだ。 「あ、いや…特に何とは…」 とっさに聞かれたものだから、名案は浮かぶ筈…

君に届けと追い風が 5

地上の喧騒を他所に、本堂の屋根の上のベルダンディーは センチメンタルな気分から一転して、今夜の献立にご執心 なのであった。 「どうしましょう・・・秋の旬と言えば?」 顎に人差し指を当て、少し傾けた顔は、少しあどけなくも 熟練の主婦の様を呈していた…

君に届けと追い風が 4

本堂の屋根に、今まさに到達しようとしている ばんぺい君RXだったが、ターゲットのベルダンディーの傍で ある異変が起きている事に気が付いた。 「にゃあにゃあー!」 本堂の屋根裏に住む野良猫達である。 夥しい数の猫達が、ベルダンディーに向かって駆け…

君に届けと追い風が 3

その時一瞬、ばんぺい君RXがうなずいた気がした。 対魔属用汎用兵器、ばんぺい君RXには数々のオプションが 用意されており、如何なる場面にも対峙出来るような仕様が スクルドから施されていた。 ばんぺい君RXは、すぐさまスクルドの部屋に向かい とあ…

君に届けと追い風が 2

思わず飛び出した俺の格好と来たら、Tシャツ一枚だった。 風は少し冷たく感じられたが、むしろその方が良いと思った。 上気した頬に当たる風が、そのまま頭まで冷してくれる。 どんな理由にせよ、彼女を悲しませた事は良くない事だ。 「ちゃんと理由を説明…

君に届けと追い風が

「もしかして・・・」 もしかしたら、もう螢一さんっに私は必要ではないの? 秋の風が深まる、ある11月の夕暮れに、憂いを帯びた瞳の 女神さまっが、お寺の本堂の屋根の上に佇んでいた。 時折冷たい風が通り過ぎて行く。その風に長い髪がさらされて 切なく…

霜月

11月です。しかし慌しいのは終わらないのね。 アフタ「ああっ女神さまっ」原作は引き続きRPGの世界で 藤島氏が楽しんでいる模様ですね。遊んでいる、とも言う? それはともかく、毎月拝読していますが…。 それから、2日発売されてたビジネスジャンプに…