2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

なぞ・・・

「ウルド姉さまっ?いる?」 返事が無い。また変なお薬でも作っているのかしら? もう一度、声をかけてみた。 「ウルド姉さま〜!入るわよ?」 襖には法術ロックはされていなかった。スッと開いた襖に 少し唖然としながらも、中にいたウルドの姿を見る。 さ…

なぞの・・・

その頃ウルドは… 「こりゃテラモエス!」 満面の笑み、或いはニヤニヤ動画といった面持ちで ひたすらTVモニターに釘付けだった。 手には何やらコントローラみたいな物があり、盛んに 動かしている。 何かゲームを堪能しているようだった。 2級神管理限定のウル…

なぞの転校生…

ここは、聖鈴学園中等部のある校舎、憂いを帯びた二人は トボトボと廊下を歩いていた。 放課後、居残りさせられたのであろうか、それとも 何か…事件でもあったのであろうか。 「ねぇ、マリアベルちゃん…」 隣で歩いているカレンが、つぶやいた。 マリアベル…

予告

「お歌…好き?」 「うんっ! 大好きっ」 そのキラキラした瞳には、無数の銀河が存在していて 無限に広がる世界に広がっていくように思えた。 だから私、誘ってみたの 「一緒に歌おうか?」 小さな天使たちは、拙い声で旋律を奏でて行く。 私は、彼女らの旋律…

アンサー

2月だと言うのに、今日は何だか暖かいな、と いつものジャンパーを羽織った螢一は思った。 「重ね着しているセーターを脱ぐか…」 このセーター、去年彼女がプレゼントしてくれた物だ。 随分着こんでしまったけど、どこもくたびれてないよ。 彼女、どんな思…

バレンタイン・チョコ

少しお酒も入れてみる 甘い思いオブラートに包んで 黒の包装紙にピンクのリボン 装備は完璧だわ だなんて、別に何も装備する必要なんて無いわね そんな事を思いながらクスクス笑って でも、心はもっと もっと とせがんで来る。 あなたの事が 「すき」 今年は…

梨沙ちゃんと聖ちゃん の3

小さな女神さまっの周りに集まった、小さな天使達は 取り留めのない話や、笑い声が絶えなくて そんな世界は、まるで天上界の様だった。 「ねぇねぇ、スクルドお姉ちゃん…このご本読んで良い?」 梨沙ちゃんが言うと 「あー!それ読みたかったんだー!あたし…

梨沙ちゃんと聖ちゃん の2

「スクルドお姉ちゃん〜!」 梨沙ちゃんと聖ちゃんが遊びに来る。 スクルドは自分がお姉さんと称されるのを嬉しく思ってる。 舞台はいつもの場所、森里家の縁側で。 昨日、近くに住んでいる梨沙ちゃんから連絡があって ふたりして遊びに行きたいと言って来た…

節分のあとで

「君は、本当に歌が好きなんだね」 「はい、大好きなんですっ」 「ぜひ、聴きたいな」 「え? その…歌ってもいいんですか?!」 久しぶりに俺たちは、ふたりだけの時間を過ごしている。 とは言っても家の中、縁側に座ってお茶を飲んでいるだけ それだけなの…

月下祭

月下祭 月に一度、女神さまっ達は深夜に庭で、ある儀式を行う。 月の光は大地を照らし、くっきりと浮かび上がる艶姿は まさに美の象徴、陰影の妖しさも切なく儚い現世を写し 幽玄な佇まいは、そのまま天上界の神殿のようだ。 風が凪ぎ、静まり返った舞台には…

綺麗な輪郭

綺麗な輪郭 それが自然の形ですよね? そう言って笑いながら くるりと舞う君の 遅れて回るスカートの裾 ひらりと花のように 後れ髪を風が優しく撫でて行く 小さな乳白色の天使 まるで悪戯して怒られたように そっと隠れて行った 夕暮れが迫る海が見える通り…