2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋の気配に

日毎に肌寒くなる季節 そろそろセッテッイングを変えてみようかと あれこれ思案している夕暮れ時 店先からバイクの排気音が聞こえて来た。 「あら、もう閉めようと思ってたのに...」 閉店間際のお客さんの登場だ。 それでも笑顔、さすが商人の千尋さんだ。 …

ずっと、恋している。

「かんなぎ」この作品を拝見して思う事がある。 ある日突然現れた女の子は、神さまだった…だなんて 今では定番の設定なのだが、やはり夢があるよね。 空から女の子が落ちてきた、だなんて、ラピュタみたい… 棚から牡丹餅、有り得そうで有り得ない話は、古今…

今夜の月は/Fin

その月が、あんなに遠く高く空に輝いている時間 聖なる扉が啓かれんとする。 そこにあるのは、ただひとつの啓示か、それとも深遠なる 奈落への招待状か。 パンドラの櫃を開放し、最後の出てきたものは、希望。 それすらも永遠の時の彼方へ、忘却されてしまう…

今夜の月は/2

庭に咲く群生の花の香りが、風に乗って ここまで届いて来る。 朝、そして昼間に感じた香りとは違う、もっと濃厚な香り が二人を包むようだ。 そっと触れた彼女の肩、吐息のような「あっ」と言う声に いつも以上に敏感に反応してしまう。 「あ、ごめん…」 い…

今夜の月は

風にそよぐ群生の花に酔うて 自分がどこにいるのか、判らなくなる。 風の向きに合わせて、花弁をゆらせて 香りが鼻腔をくすぐる。 「ここは、どこだ?」 なんてね、ここは正しく他力本願寺の境内の中 その中の庭の一部なんだけど、幽玄な空間のように 見事に…

花のある風景

気が付けばそこに、一厘の花があって 部屋の雰囲気を変えてくれている。 「可愛いでしょ?コスモスですっ」 そう言ってベルダンディーは微笑む。 庭のどこかに群生していた秋桜、その可憐な花は こうして食卓を飾ってくれているんだな。 「うん、そうだね」 …

森里家の団欒

楽しい団欒には、愛がある。 それはここ、森里家の食卓でも同じだ。 「はい、螢一さんっ」 ご飯をよそったお茶碗を差し出すベルダンディーは いつもどおりの満面の笑みで彼を見詰める。 少し照れながらも、受け取る時、ふと触れる柔らかな 彼女の掌にドギマ…

女神ウルドの怪奇事件簿

シンと静まり返った部屋、褐色の肢体をシーツに くるませて過去を司る女神ウルドは就寝していた。 「ん・・・」 寝返りを打ち、体勢を変えるとシーツの裾から 露になった足先が見え隠れする。 スラリと伸びたおみ足が、実にセクシーだ。 「きゃはははー!」 …

勇者の見る夢は

小さな世界、その世界には勇者が存在していた。 彼の名は、そう、ガンちゃん。 ネズミだけれど、そんなの関係ねぇって感じで この世界に唯一無二の存在として、女神たちを従え 昨日、今日、明日と時空を超えて行く。 しかしその世界は、言うなれば無法地帯だ…

ウルドさんの怪奇事件簿っ

「う〜ん…そうですだか...」 何やら合点が入った感のガンちゃんは、モニターを 見つめながら、しきりにうなずいていた。 オラ達…小さい住人には、何時もの様に怪奇事件とか 奇怪な現象が、それはまるで日常茶飯事の如く存在し 気の弱いオラを苛めていただよ……