2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

3月の終わりに

何となく気まずい雰囲気に、言葉も出てこなくて 何時もなら笑顔で「お茶ですよ」と扉を開ける事に 不安も何も感じずに出来るのに... 雨の中に忘れてしまったのかしら、と あの時の事を思い出してみようとするけど 何だか辛くて、螢一さんっのあの、横顔... …

It’s a Sin to Tell a Lie

気紛れな風が吹く時、もしかしたらって思う時 空にひとかたまりの墨を落とした様な雲が 切なくさせる、その冷気を感じさせる予感が 当たらないでほしいと、そう願う。 「雨が降りそうだね...」 螢一は、空を見上げ、憂鬱な気分になった。 少し遠出した帰り道…

春に誘われて

好きな娘がいるんだ。 その娘と居ると、まるで宝を探す冒険をしている みたいで、とても危うくなるんだ。でも、毎日が とても新鮮で、明日が待ち遠しくなって来る。 「おおおおおおお、おねえさまぁ〜!」 いつも騒がしいスクルドが、いつも以上に騒がしく …

恋する気持ちと愛する思い3

それから… 乙女達の長話は続いた。不思議な事だが、ベルダンディー が語った物語は、違和感無くふたりに受け入られて 恋愛の神秘さ、その深遠さを深く味わっていた。 「ただいま〜 あれ?長谷川、来てたんだ」 用事を済ませた螢一が、店に戻って来た。 そし…

恋する気持ちと愛する思い2

「あの、私にも、ありますよ…」 千尋さんと、空ちゃんは、突然の出来事のように驚いた。 だって、ベルダンディー先輩って、とても綺麗で… 「ええっ!ホントなの?そりゃ〜興味あるわねぇ」 千尋さんは、思わず身を乗り出した。 「ええ、随分昔の話なんです……

恋する気持ちと愛する思い

もうすぐそこに、春が来る。 そんな季節の予感を感じる午後には 他愛のないお喋りが、似合うと思わない? カランと店の扉が開いた。 「いらっしゃーい!あら?」 「いらっしゃいませ〜 まぁ、長谷川さんっ」 ベルダンディーと螢一が勤める店、ワールウインド…

水着じゃないですわよ?

天上界一露出の多い神衣を纏う女神さまっ... ある時は、高貴な薔薇 ある時は、清らかな水辺の真紅 また、ある時は、チクチク 「チクチクとは、何ですの?」 それはともかく、他の女神達とは違って とても露出が多い神衣ですね? 「マイノリティ…と、でも言い…

特別な人

無限の彼方から、無限の未来へと吹く風が 生まれた場所って、どこなんでしょう。 不思議に思うのは、そんな事よりもあなたの事が とても とても とても とても あなたの事ばかり、考えている。 現世を映す鏡の前で、ひとり佇んでいる私は 始まりの予感にふる…

風を待って

縁側で座って、物思いに耽ると 目の前を通り過ぎる風の音が、とても 心地よい事に気がつく。 目を瞑り、耳に神経を集中させて 聴いてみよう。 たくさんの音が聞こえてくる それは愛すべき生活の音、そして 君の歌声だ。 遠くから金属音も聞こえてくる きっと…

何もない日は。

何もない日は、図書館へ行く。 通りを歩いて、時々寄り道したりして。 そこで小さなケーキ屋さんを見つけたんだ。 可愛くて小さなケーキ達が、ウインドウから 「おいでよ〜」と、まるで手招きしているみたいで だから少し、ほんの少し、うん、ちょっとだけだ…

Help me!

「じゃあ、行ってきます」 笑顔で店を出て行ったベルダンディー 千尋さんのお使いで、ちょっと買い物に出掛けた 訳なのだが、その千尋さんの様子がおかしい。 「あのぅ…千尋さん?」 俺は声をかけてみた。 しかし返事が無い。 「千尋さん?」 「んあ?あによ…

それはとても

流れていく飛行機雲とか、風に乗って 姿を変えていく雲とか、面白いねって そばで笑いながら話をしてくれる彼の その横顔、その表情、その瞳の中には とても美しい思いがあるのですね。 「飛ぶ原理は、分かっているんだけどね」 ちょっと恥かし気に笑う彼は …

季節が運ぶ風〜春

風が通り過ぎて行く 季節運ぶ風 空気をはらんで 舞い上がる螺旋の 回廊に 願いを籠めて 思いを無期限起動に この地球(ほし)回りまわって その時が来るまで あなたの事 見詰め続けているの 小さな芽 小さな思いは膨らんで 芽吹きの時が訪れますように 儚げな…

小さな春/ハルうらら

小さな春を見つけた? 「早く早く〜!」 その小さな手のひらは、高く掲げられて 俺達を誘う。早春のある日、風の気持ち良い日。 お寺の境内にも、一足早い春の予感が来て 色取り取りの花が、そこかしこと、その蕾を 勇気を持って開こうとしていた。 そんなあ…

可愛いひと。

ベルダンディーは、可愛い物が大好きだ。 時々、それは本当に時々なんだけど 小遣いの許す限りの範囲で、ちょっとした キーホルダーとか、小さなぬいぐるみだとか そんな物をお土産として、持ち帰った。 それは、先日の事。 「ただいま〜」 玄関で靴を脱ぎな…

春を探しに

梅の花の季節から、そろそろ桃の季節 公園沿いの小道を、散策しているふたりの姿。 「春を探しに行きませんか?」 寒暖が酷かった昨今、本当に春は来るのか?とか ブツブツとぼやいていた矢先の事、彼女の素敵な 提案に乗る事にした。 休みの日の公園は、た…