永遠

永遠なんて信じない...

 森里螢一は、そう思った。

 君と居るこの時間だけが、真実だとすれば

 俺と君との時間のベクトルは ああっどうしてこんなに違うのか...

失いたくない。

 偽りの人生だったら、こんな苦労もしないはずだと

 だけど君と出会った時から、奇跡の連続で

 本当は眩暈がしそうなんだよ...

愛しいから。

 もし言葉にすれば、いとも簡単にこの手から零れ落ちてしまう

 そんな気がするんだ。だから言えない、たったひとつの言葉を。


 君と共に歩きたい

 君と共に過ごす午後は

 木漏れ日の感触 暖かな空気の中

 たゆたうふたりのシルエット

 風にゆれて 風にゆれて


初めから終わりまで。

 この世界に この果てに、何があるのか それは分からない

 でも、君の手を繋いだ俺がいたら良いのにと思うよ。



永遠なんて信じない 君が居なければ。