世界の終わる日 始まる日

君に伝えたい思いがあった

そのために頂いたものは 言葉

使い方は無限大 しかも効果は絶大


使い方を知りたいと思った

知識が増え重なるにつれて

この世界のすべて 知り尽くしたかのように


いつしか とても傲慢になってしまう。


時間の断層のように 心にも断層があって

個人の心の宇宙は 幾層にも重なったパイのようだと

誰かが言っていた


同じ言葉を話して 同じ気持ちを伝えようとして

でもどうして こんなにチグハグな返答だけが

耳に届いてしまうのだろうか


君に伝えたい思いがあった

そのために存在した 言葉も何も

君が其処に居なければ 何にもならない


そうして この世界が終わる日が来る。


何を伝えたかったのだろうか?

どんなに思考を巡らせても 見つからない

迷宮の宮殿に住まう 幻の女神たちよ

雲散霧消してしまう 忘却の旋律たちよ


ここにいるのは 誰だろう

そして心が叫ぶのは 何故だろう

傷ついてしまった 最初の思い

ささやかな願いだと嘲笑してしまった

愚かな自分が肩を震わせて

泣きながら 泣きながら

その拳を その剣を

振り下ろした勇者の哀しみ...


「私は、ここにいる」


ただ、君にそれだけを伝えたくて

言葉を選んだはずだったのに


もう一度 言わせてくれないだろうか

それが私の本心なのだから


やがてくる世界の始まりに

とても似合う言葉はただひとつだけだと

そう思うのだから。




 世界が終わる日 始まる日  by belldan Goddess Life.