同じ空の下で

いつもの河川敷 

水切り

あの向こう岸まで届いたら

君の事 大好きだって 言おう


川面を滑るように 弾かれるように

小さな小石

まるでオレのようだな って


上手く真っ直ぐに進まないのは

どうしてだろうか...



同じ空の下で


「どうしたの?仙太郎?」

ビックリした、だって突然彼女が現れるんだから

でもいつも突然だな・・・初めて出会った時から

「うん・・・どうしたら上手く向こう岸まで届くかなって」

握ってた小石を見つめながらオレはそう言った


「ああ、それはね・・・」

それは、流体力学が・・・って彼女は言うんだけど

オレにはさっぱり分からない、でもいつも思うんだ

こうしてマジメにオレの事、って言うか、ちゃんと説明しようと

真剣になってくれている君の横顔って、とってもキレイだな


そんな事を思っていると

「ちゃんと聞いてるの?」
そう言うと、川原を見渡し、平たい小石を取った

「うん、こんな形が良いかな?」

そう言って彼女は「えいっ!」と勢い良くその小石を水面に
投げると、そいつはとてもキレイに真っ直ぐに飛んだ


そして、向こう岸まで届いたんだ…


「あ…スゴイ…」
オレは思わず声に出してしまった、でもちょっと悔しかった



同じ空の下で



なぜだか理由が分からないままスクルドは家路に着く

「なんなのよぅ!仙太郎…」
どうして急に帰っちゃうの?あたしの事、キライなのかな…


そんな事を考えていると、とても悲しくなる
スクルドは、縁側に座って姉の帰りを待つ事にした

プラプラと足を、それはまるで自転車をこぐような
でも、動力が伝わらないギアの抜けた歯車のような

夕闇が迫る頃、姉達が帰ってきた



同じ空の下で





 つづく(ゴメンちと眠い…