ああっOpen your mind

Open your mind...

エンドロールが流れる時って
その物語を、まるで自分の思い出か
何かのように、反芻してないかい?


人間が避けて通れない別れ…それが死だ
君と俺とでは、あまりにも人生の時間が
食い違いすぎた…だが、それでも二人は
いつまでも一緒にいたい、と望んだ。


「君はいつまでもきれいだ…」
「螢一さんっ…」
「俺のわがままから始まった事だけど、それでも
こうしてずっと傍に居てくれた事に感謝してもしきれないな」
「螢一さん...」


麗しい女神さまっのかたわら、寝床で伏せっている
白髪の老人が言葉を続ける


「たくさんの思い出、それも眩しいばかりの…」
俺は、とても幸福だった、と彼は思う。
時々意識が遠ざかるのを感じる、たぶん死期が近い
数々の思い出が、走馬灯の様に脳裏に流れていく
思い起こせば、楽しかった事ばかりだな、と思った。


その思い出の中に、すでに忘れられている過去の物も
あった。
そうか…俺は…


「そうか、君は、あの時も…」
自分が転生輪廻して、過去に生まれた時代にも
君は、俺の傍にいたんだね


「やっと…思い出せたよ…」
「ふふ…でも、あの時代には電話はありませんでしたね」
そう言いながら、目に涙をためて女神さまっが言う
「そうだよね」
と俺も笑った。


楽しかった…それは、心からそう感じる事
そして君を好きになった事を、とても誇りに思うよ


「君に会えて、本当に嬉しかったよ…また…」
また、会えたら良いな…
心拍数が低下する、呼吸もままならない


いよいよか…


もう言葉を発する力も無くなったか…


螢一の瞳が閉じる…生態系の全てが停止をする


「螢一さんっ?ああっ!螢一さんっ!…」
寝ている老人の枕元に突っ伏して泣き崩れる女神さまっ


私…今回も言えなかったのね…


襖が開けられ、姉のウルドとスクルドが入って来た
「螢一…逝ったのね…」
「姉さんっ…」


「事後処理はあたしに任せて、あんたはほらっ!」
「えっ?」
「だって…追いかけるんでしょ?螢一を…」


螢一は死んだ…そして、その後の転生先をいち早く
検索して、後を追わなければ困難になる


「はい…あの、私…」
「いいからっ早くっ!」
「姉さん、ありがとう…スクルドも…ね」
「お姉さまっ!がんばってねっ!」


螢一さん…螢一さん…螢一さんっ!


逸る思いを隠せぬままに、すぐさまゲートに飛び込んで
女神さまっは、愛する人を探しに天上界に


いま、ひとつの愛が終わった、でもそれは
もうひとつの愛が始まる時でもあった


「螢一さんっ、私、また会いに行きますね」


その時には彼の名前も、姿も声も変わっているだろう
それでも会いたいと思う気持ちは、何と表現してよいのか


愛は愛から生まれ、愛に死す…
そしてその亡骸から、また愛が生まれる


Open your mind 私、会いに行きます
だから、心開いて待っていてほしい。
「螢一さん…」


 

 愛が終わる時、始まる時  by belldan Goddess Life.







 こんな最終回もありかも…って言うか
ここから始まるんだよね、ふたりの恋愛は♪