クリスマス・タイム2

見上げた空に

いくら暖冬だと言っても、それは12月だし
薄着してちゃ風邪も引くってもんだ。

後輩から、上手くダンピングして手に入れたダウン
軽くて暖かいし、こりゃ重宝するなぁと思った。


せっかく上手に誘ったデートには、体調万全で望みたいし
それにベルダンディーに気を使わせたくはないから…
教会の帰り道、少し寄り道しようと遠回りした海岸線
北風と海風に晒されて、あたりの空気はツンとしている

「ベ、ベルダンディー?寒くないかい?」
海岸線に脇にある小さな公園、すべりこんだ俺のサイドカー
エンジンを切って、ベンチにすぐそばに止めた。


「ええ、大丈夫ですっ♪ほらコレっ♪」
そう言って、彼女お手製のキルト地のブランケットを見せた


ふたり並んで座るベンチの、そのふたりの距離がもどかしいと
思うのは、ごく普通の男子なら、ごく当たりまえだよな?
あともう少し、あと数センチ…かくして作戦は決行されるのか?


ベルダンディーの白く華奢な手が見える
それはこの冬空には、とても無防備に見えて
何だかとても、守りたくなってくる…
「あのさ…手が冷たそうだね」

俺はそう言いながら、自分の着ているダウンジャケットの
アウトポケットに彼女を手を滑り込ませた
必然的に、手を繋いだのは言うまでもないが…


「螢一さん?…あのぅ…私…」
頬を赤くするベルダンディーを見て、俺は
もしかしたら、大いなる早合点をしたのでは?と
焦ってしまった。

「あ、ごめん…あの俺は…」
「ううん…とっても暖かいんです♪ありがとう螢一さんっ」


ふたりの距離が、また数センチ縮んだ。





 メリークリスマス♪ 皆様に幸あれっ  by belldan Goddess Life.