クリスマス・タイム

二人の未来は...

不思議な不思議なクリスマス・タイム


 今日、螢一さんからデートのお誘い♪
「教会に行こうよ」って言われたの...


「お寺に暮らしてて、アレなんだけどさ…」
そう言って照れくさそうに彼が言ったの

教会って、祈りを捧げる場所だから、もしかして
だなんて…そんな事も考えてしまうけど
そうだわ、今日はクリスマス・イヴですものね、と
そんな事を思ってて、ちょっと赤面してしまった。


「誰にも内緒にしなくちゃね」
螢一さんがそう言ったのには、ちゃんと理由があるから
わたしは「ええ、そうですよね」と笑って答えた。


だっていつもこの時期は、パーティが開催されて
たくさんのお友達が来てくれて、それはそれは
楽しいクリスマスになってしまうから…


でも今回はだけは特別…きっと神様のお計らいだわ、と
わたしは思って、感謝の祈りを捧げたの
心の中で、小さな声で。


今年は暖冬、だから雪はまだ見れない
たくさんの思いと共に降り積もる雪もステキだけれど
こんな冬の日も、ステキなプレゼントよね
そしてわたしの傍には、いつも螢一さんが居るもの…


ねぇ、螢一さん…あなたの夢、未来はどんな色ですか?
わたしにも見せてくれるかしら?
そして、願い叶うなら、その未来にもわたしが居る事を…


とても切に望んでしまいます。



教会に賛美歌の声が響きわたる時間(とき)
ふたりはそっと席に着き、瞳を閉じる
パイプオルガンの調べに乗って、聖なる歌が流れ出すと
多くの天使たちが舞い降りて来て、共に歌い出す
寄り添う人々の声と共に、心に静寂が訪れると
この地球(ほし)に光臨した救世主を称える歓喜の思いが
教会を満たして行く。
キャンドルライトに照らされ、空間はまるで異空間
この世に居ながら、天上界に居るような清浄感を感じて
そっと目を開けてしまったわたしの目に飛び込んで来たのは
わたしの天使ホーリーベルの姿だったの。


それだけじゃない、もっとたくさんの天使たちが
その空間に、愛を振り撒いていた。


わたしは、すぐ隣に座っている螢一さんを見た
彼にも見えているみたいで、驚きを隠せないでいた
「螢一さん…?見えているんですか?」
彼はわたしの方を見つめ返すと
「うん…すごいね」
そう言って、とても喜んでくれた。


もしかしたら、これも神様からのプレゼントなのかしら
とても不思議な、不思議なクリスマス・タイムには
奇跡としか言えない、そんな出来事も起こりえるかも♪


 クリスマス・タイム  by belldan Goddess Life.