田宮先輩達と飲みに...
自動車部の現役生、OBそしてOG全員で飲み会があると言う。
当然、森里螢一君も誘われている...
「あの…私はお留守番してますね♪」
そう言ってベルダンディーは微笑むのだが、どうにも妙だ
「え?…そ、そうだね、その方が良いと思うよ」
と俺は苦笑い
玄関先で卸し立てのスニーカーを履いていると、彼女が
突然俺の襟を正すのだった。
「螢一さんっ♪ちゃんと今日中には帰って来てくださいね」
「…うん、分かった」
俺もその筈だった、心からそうしたかった…
だが聞くが、君はあの田宮先輩達と飲み会をして
「じゃあ今夜はこれ位で…」とか言って帰れるか?(笑
ベルダンディーと離れ離れ、とは言っても、数時間なのだが
それでも、なんとも落ち着かない。
かつては”強制力”って代物が存在していたが、それも過去の代物だ
もちろんそんな代物が無くても、俺たちはちゃんとふたりで居るし
それに…それに、ちゃんと恋人同士なのだし...
と、ここまで考えていてニヤつく俺は、一体何者なんだろうか
もちろんただの人間だし、ごく普通のありふれた男だしな...
飲み会と言う事で、今夜はバイクじゃない
俺はトボトボと下山し、駅に向かう
それにしても、ベルダンディーとこんなに毎日一緒にいるのに、
ちょっと別行動を敢行するだけで、なんだろう?
このモヤモヤとした気分は...
ま、それはともかく、これも大事なコミニュケーションだし
愛すべき自動車部の後輩達も来ているんだし
何とかなるか!
本当に何とかなるんだろうか?(苦笑)
ならない、結局の所ベルダンディーの助けを借りて
危機を脱するのが結末か
それとも、新たな出会いがあり、何かが始まるのか
その答えは多分、誰も知らない