ああっ春の雨に

突然の雨に 身動き出来ずにいた
駅で雨宿り 銀色のストライプ
春の雨に 取り残されて...


「しまった…傘を忘れた」
用意周到とは言わないまでも、一応最善を尽くすのが
自動車部の理…だと思う。
バイクだったらカッパは必需品だし、備えもある
だが今は如何せん、電車での移動だったし、それに
それに…


何だか不思議だなと思う、こんなにゆっくりとした時間
本当に久しぶりだな。
ついこの間までは、雨はただ冷たい物だった…だったと言うのは
それは冬の寒さに起因しているのだが...
「それにしても、何とも優しい雨だなぁ」
雨水の温度って言うか、それが冬のとはちょっと違う気がするんだ


「ひと雨毎に、暖かくなる…か」
雨降って地固まる…とも言うか、と図らずとも笑っている自分がいる
別に何かあったって訳じゃないんだ、だた何となくね...


「レインダンスとか…」
誰が言ったのか、巧い事言うなぁ…
「雨に歌えば…なんてね」
自分で言うのも何だが、ちょっと饒舌かな?
そんな事を考えてたら



「螢一さぁ〜ん♪お迎えに来ました〜♪」
ほらね、それはまるで春のような、花のような声で
「お待たせしました〜」
女神の君が、微笑みながら駆けてくる


春の雨に ひとつの傘に
「春雨じゃ〜濡れて行こう」
そんなセリフは親父クサイが、言ってみたくなった
もちろん言わないけどね(苦笑