ああっ螺旋のカノンっ

「想い出の数だけ生きているって訳か…」
出来上がった写真を見ながら彼はつぶやく
古いカメラに籠められてた意志は、成就したようだ。


 アフタヌーン最新刊「ああっ女神さまっ

素晴らしいお話、さりげなく描かれた女神さまっの日常は
どうしてこんなに不思議な巡り逢わせが多いのでしょうか


「それは彼女達が時の守護神だからさっ」と言えば
簡単に理由が付きますが、それだけじゃ無いのですよね
では他に何があるのでしょうか?
それを見つけるのが、わたしたちファンのお仕事なのですよ(苦笑



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時の螺旋 過去現在未来を紡ぐようにユグドラシルの樹は
音楽で言う所のカノンの様な動きをしているのであった
輪唱、反抗、逆行、拡大、多重…そして謎である。


世界は均衡を望んだ 世界は急速に進んでいるのに係わらず
ゆえに世界は平和を取らず、安全を求めた
それはあまりにも短い地上界の生命を、安息に導く方法のひとつ
そして、選択の余地の無い苦しい行為だと言えた。


過去にも 現在にも そして未来にも
真の安らぎは得られず、多くの人々は路頭に沈んだ
あるいはその刹那を快楽で溺れ、ひたすら我欲を追求する
野蛮達もいた...


主神はこれを大いに嘆いた
時を管理する者、それも優しさと慈愛に満ちた存在を所望したのだった。


ああっ女神さまっ 誕生編」(なんちゃって)


それは今から遥か昔、この地球が誕生して間もない頃の事である
世界は混沌から生まれ、やがて時が立つに連れ、ある秩序の元に
生きとし生ける者の生活が形成されて行くのだった
その当時は、天上界とも行き来する事も、天上界との連絡も
容易であったのだが、少しずつだが人々の歴史も積み重なり
人間の時間の概念にも、差異が生まれてくるのであった。


ここは天上界の一室、その声の持ち主は言うまでも無い主神である
「…どうだろう、ここらで時の守護神を誕生させては…」


「あら、私は別に構わないわ…こっちの世界には関係ない事ですもの」
キレ長の瞳がキラリと光る、褐色の美女が言う


二人の長、それも天上界と魔界の長はテーブルを挟んで
言葉を統べるのであった。
天上界と魔界の均衡、それが地上界に及ぼす影響は図り知れない
二人の言葉には重みがあった。そしてそれが全てを決定する程の効力
と実行力がある事は言うまでもない話だが…


テーブルの上の葡萄酒を飲み干し、その美女が言う
「じゃあこれで…わたしたちは、しばらく会わない方が良いみたい…」
つい、と踵を返し、振り返りもせずその部屋を後にした。



 きっとどこかに続く…  by belldan Goddess Life.