ああっ長女ウルドの退屈

その日は珍しく朝から買い物に出かけたウルド
お昼過ぎの帰宅となった訳だが...


「ただいま〜」
と言ったものの、返事はもちろん無しで
それもそのはずで、全員が各々の仕事に従事している訳で
「そっか…」
例外としてはスクルド…彼女は仕事をしていない…ハズ
「あ、そっか…」
と苦笑いするウルド姉さんだった。


とりあえず買い出しした妙な薬草とか、あれこれを
自室に運んで、台所へ
自分で勝手にお茶を淹れる
「妙な感じよねぇ...」
と、これまた苦笑い


適当に淹れたお茶を、みんなのティールームまで運ぶと
ちゃぶ台の一番特等席を陣取る
パチンと指を鳴らしTVのスイッチを見事に入れる
「今日はこれが楽しみなのよね〜♪」


ナイスなタイミングでTVプログラムは始まった
「米国恋物語エヴァか〜」
としみじみと呟いた。


ウルドに言わせると、このアナログ的恋愛沙汰ってのは
古今東西からの王道で、自称”恋のキューピッド”な彼女には
あまりにも凡庸なのだが、そこはそれ…好きなものは好きだからね


それにしても家のアナログ・カップルの行く末は、どうなんだろう?
地上界で言えば19世紀の恋物語のような二人…
あの子達の歴史を振りかえって見ても、それはそれはいつも同じだったし
そして現在でもそうだし…
「…退屈しないのかしら?」
妹と螢一が…って、その当時、螢一は別の名前だったが
今から何千年まえだったかしら?と思考を巡らすのだが出てこない
出てくるのは、アクビだけだった
「ふぁ〜…」
ノスタルジックな映像と思考に、どうやら睡魔の到来を許したようだ
TVドラマは続きの画面に変わり、そしてCMに変わった
「……寝よ…」
ちゃぶ台にお茶を淹れた湯飲みをそのままにし、TVのスイッチを消し
みんなのティールームを後にした。


自室に帰ったウルドは、着ていた服を法術を使って脱ぐと
そのまま全裸になり、ベットに横たわる
買出しした薬草やらも放ったらかし、服もそのまま
部屋には作りかけの怪しげな薬を作成する器具もあり
妙な香りを部屋中に蔓延させていたのだった。




「ただいま帰りました〜」
「ただいま〜」
と、噂のノスタルジックなカップルのご帰宅である
返事はないが、それは気にしない、いつもの事でもある
みんなのティールームに入ったふたりは
飲みさしの湯飲みを見つけた
「あら?姉さんかしら?」
「ウルドのやつ…片づけくらいちゃんと…」
俺、ちょっと言ってくるよ、と螢一はウルドの部屋に向かう
「あ…螢一さんっ?」


さて、ウルドの部屋に着いた螢一だが、ここからの
お話はR-15、もしくはR-18に規制される恐れもありそうなので
実に遺憾ですが、割愛しちゃいます(爆)


後日談は、また後日にでも
もしくは、各自続きを考えてくださってもOKっす(笑)





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例の自転車の話…2パターンも結末が出来ちゃって
どっちが良いのか思案中(苦笑)
いっそ、ふたつ掲載しt(ry