いきなり回想録

時の守護神の拡散 そして広大した
その生命体が、全ての命を覆った...


世界は、あの混沌としたソリッド・ブラックから
開放され、再び秩序を取り戻したのだ。


それから十数年が過ぎた。


森里家が暮らす、お寺の境内で遊ぶ幼子も
やがて大きくなり、年頃の女性として成長していた
もっとも、その女性は…女神と人との混血なのである
「螢一パパっ! 今日もとっても良いお天気ですっ!」
その女性が振り返り、ひとりの白髪の男に言った
「マリア…だからパパって言うのは止めなさい」
そうは言うものの、そのまなざしはあくまでも優しい
「はいっパパ!…じゃなくて螢一さんっ!」


ベルダンディー達が、その広大な力を解放し
世界の悪しき想念帯でもあった、あの黒き者を
そのあふれんばかりの愛情で内包し、十数年が過ぎたが
彼女達は、いまだ此処に帰る様子がない
「かならず帰ってきますから…」
その言葉を胸に、待っている


時折、天上界からの使者が降臨して来て
マリアベルの様子とか、俺の心境を見舞ってくれるのだが
あちらでもちゃんとコンタクトは取れておらず、だが
微弱な反応は確実にあって、ノルン達の生存を掴んでいた
「大丈夫ですわよ 森里さん」
ベルダンディーの盟友ペイオースの言葉は確信に満ちていた
だたし、時間と言うものはどうしようもないのだ。


もしかしたら、俺の方が先に…
そんな気弱な気持ちも出てくるのが人情ってもんだ
しかし幸いな事に、俺とベルダンディーの間に儲けた愛娘の
存在が、こんなに大きくなるとは、誰が考えようか
天上界の危惧もあり、当初はマリアを天上界で育て
ノルンとして教育していこうと言う案も出たと言う
「マリーはパパの傍がいいのっ!だって約束したんだもんっ」
幼きマリアベルが哀願して、地上界を去らなかったのには
ある約束があったと言う。



「ここが私の帰る場所だから パパをお願いね」




 ソリッド・ブラック 回想録


by belldan Goddess Life.




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本編も始まらない内に、すでに回想モノローグ発射(笑
まとまらない本編は、私の欲張りが原因デス...orz