空が笑うように...

ステキなプレゼントのような訪問客を見送って
螢一、ベルダンディーそしてスクルドは正門をくぐった。
「マリーミ、とっても幸せそうだったね〜!」
スクルドが我が事のように喜び
「そうね、嬉しかったわ。来てくれて」
と、ベルダンディーは微笑み
「俺…兄さんって呼ばれちゃったよ〜」
螢一は、苦笑いした。


みんなのティールームに戻った二人は、お茶を飲みながら
とてもしみじみとして、黙っていた。
スクルドは自室に戻り、また何かの研究でも始めたのだろう。
「螢一さんっ あの二人も、私たちのように・・・」
手にしていたカップをちゃぶ台に置いて、ベルダンディー
「そうなってほしい…でも、それは大変な事だから…」
切なさと、愛しさが交差する表情をして言う。
「大丈夫だって!俺はそう思うよ」
「そう、ですか…」
「だってさ〜ヨシ君だっけ?あいつはとても良いヤツだよ」
「そうですよね」
「あいつの笑顔って、そうだ、青空って感じがしないかい?」
「ええ、私もそう思っていたんです。だから・・・」
「だから、余計に心配なんだね。心配性だなぁ」
と、螢一はクスリと笑って
「もし何かあったら、俺達に相談にくれば良いんだから さ」
「螢一さんっ」
ベルダンディーはちゃぶ台に置いてた彼の手を、そっと握った。


楽しかった事は、すぐに過ぎ去ってしまう。
悲しかった事も、同じように消えてしまうだろう。
そうやって思い出が作られるように、記憶の片隅に
大切に仕舞われるのだ。
たくさんの思い出、それは小さなピースのような物
それが重なって、積み重なって行く。
まるでモザイクのような欠片達でも、遠くから見れば
素晴らしい絵画のように見えてくるんだ。


「マリーミとヨシさん、ふたりに幸あれっ」
ベルダンディーは、祈らずにはいれなかった。
「あれ?俺…電話番号って伝えたっけ?」
「あら…」
「あ…あはは…忘れたね」


「でも大丈夫ですよ。あの娘も女神さまっですものっ」
「そうだよね。何かあれば、きっと連絡してくるよね」
見詰め合うふたり…その中には誰も入れない位の聖域が
展開されている。だが…
「あー疲れたー ちょっと!ねぇー!」
玄関から声がする。ウルドの声だ。
「あ、はーい」
ベルダンディーが玄関まで迎えに行った。
「やれやれだな…」
螢一は、ため息を付いた。



 空が笑うように…(来訪者の帰還) END.


by belldan Goddess Life.


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ひろけんさんのオリキャラ「マリーミ&ヨシ」さんのお話です。
彼のサイトで展開中のお話から、勝手にリレーしちゃいました(^^;
事後報告ですが、ありがとうございました。


さて、旧作をバシバシと再掲載した訳ですが
あまりのレスポンスの無さに凹みます(笑)
あのね、実は恥かしいですよね…古い作品を載せるってのは。
これに懲りて、今後は一切やりません(笑)