Thanks giving days

いつもはお寝坊さんなマリアベルだけど
今日は何故だろう、とても早起きしている。
母屋の縁側の前、お庭に出て、東の空を見詰めて
その小さな手を胸に合わせ、そっと瞳を閉じていた。


日中の暑さが和らぐ時間帯、それでも地中に残る熱気は
朝の空気をすぐに暖めてしまい、そのせいか風がとても
心地良かった。
短く切った前髪を、その風が撫でて行く。サワサワと。


柔らかな朝の、その空気が醒める少し前。


ふと、目が覚めてしまった。
何時もとは少し早い、そんな朝に、何故だろうか
庭の方が、とても気にかかってしまって、寝巻きのまま
縁側へと向かった。
「あれ?マリアベル?」
螢一は、不思議そうに彼女を見た。
熱心にお祈りをしているように見えたので、声を掛けず
そのままじっと見詰めていた。


「螢一さんっ?どうかしたんですか?あら…あれは…」
朝の支度、厨から出てきたベルダンディーは、何時も通りの
可愛いエプロンをしていた。
「朝のお祈りですね。でも、どうして急に…?」
ふたりはマリアベルを見詰める、するとその姿が小さく丸く
なったりする。
「か、可愛い…」
「可愛いですねっ」
ベルダンディーの目には、マリアベルの背中から小さな翼が
今にも羽ばたきそうに見えていた。
「螢一さんっ 私たちも、マリアベルと一緒にお祈りしませんか?」
「何だか良く分からないけど…良いね」
よしっ、と螢一は、縁側にあったサンダルを突っ掛けて庭に出る。
ベルダンディーは、玄関先に回って出て来た。


「おはよう、マリアベル
ふたりの声を聞き、振り返る彼女
「あ、おはようー!パパ、ママ!」
ベルダンディーは、しゃがんで彼女の視線と同じくして
「朝のお祈り?とても良い事だわっ」
そう言って微笑んだ。
「おりこうさんだね、マリアベル」螢一は笑う、そして
「ところで、何をお祈りしていたんだい?」


「うん、ありがとうって!感謝のお祈りだよっ!」
マリアベルは、その小さな手を空へと掲げて言った。
「まぁ、感謝の?それは素晴らしいわ」
ベルダンディーは、とても感心して
「それは神さまに?それとも・・・」


「えへへっ…内緒だよっ!」
パパとママが居る事、そしてこの世界がある事、何よりも
わたしの存在を許してくれた、大好きなふたりの愛に。


「螢一さんっ 私達もお祈りしましょう!」
「うん、そうだね」


 Thanks giving days.


by belldan Goddess Life.





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7月7日 七夕。
そして「ああっ女神さまっ」原作者である藤島氏の誕生日。
おめでとうございます、と、ありがとうございます、を。


それから、この良き日に生誕された素晴らしい方々へ。


そして、拙いこのブログを訪れて下さる方々へ。


感謝の意を表したいと思います。ありがとうございます。