ミルク・ティ

風に揺れされて、落ち葉がカサリと落ちた。
日中の温度と、風の温度が違い過ぎるって。
ちょっと寒い。そんな日。


山の紅葉がそろそろだと、彼女と共に行ってみた。
色彩が豊かに変わる自然の恵みに、感嘆したりして
笑い合って歩く、緩やかな山道で。
「わぁ、綺麗ですねっ」
そう言う彼女の横顔を見ながらの紅葉散策は、至福だ。
「ねぇ、螢一さんっ?」
アングルが変わり、俺の方を見る女神さまっは
とても幸せそうな笑みを携えていた。
「…うん、とっても綺麗だね」
それは君も含めてなのだと言えなくて。




変わり往く季節は、それ全てが大切な私達の想い出。
あなたと歩く道は、いつだって幸福への道程だもの。
そろそろ冬支度した風の到来だわ、と思って今日は
暖かいミルク・ティーを用意してきたの。
ミルクで煮出した、ロイヤル・ミルク・ティで
螢一さんと私の間も、もっと暖かくなってほしい。
コポコポとポットから注いだミルク・ティー
ふんわり湯気、紅茶の香りと。
どうぞ召し上がれ、私の思いと共に。


「螢一さんっ」
「うん、美味しいよ」
「良かったっ」


ミルク・ティ。


by belldan Goddess Life.