お正月企画っ

夢を見ていた。


夢は音符になって 君の耳元へと舞い降りる。
君のそのステキなネガオ テンシのホホエミ
アマイカオリ サラサラ フワフワ...
静かな時の流れ、緩やかな鼓動が自然にリズムをとって
心地良い眠りの中、愛する者たちがいる。


ポロンと鳴ったハープの弦が
やわらかな空気の中に、溶けていった。



 ここは森里家、他力本願寺の横、母屋にて。


慌しい大晦日が過ぎて、皆で新年を祝い、挨拶をして
そしてその後は、恒例の飲み会へと突入した。
時間は夜明け前、さすがの飲兵衛であるウルドでさえ
長時間の飲み会には、かなりの体力を使ったらしくて
宴会場でもある居間で、そのままつっぷして寝てしまった。
それが合図となったのかどうか、それは分からないが
全員が思い思いの姿勢のまま、スヤスヤと寝息を立てて
混沌としていた宴会場に、静寂が訪れたのだった。


螢一の傍には、もちろんベルダンディーがいて
彼の肩に寄り掛かって、安らかな寝息を立てている。
スクルドは、最愛の姉が、あまり螢一とベルダンディー
引っ付かないようにするべく抵抗した格好で、姉に寄り添う
ように眠っていた。
ウルドは…まるで「芸の為なら、女も泣かす」って感じの
大芸人のような、そんな体制で、つまり、大の字で眠りを
むさぼっていた。


螢一は、夢を見ていた。
恐ろしく怖い夢とか、とてもセクシーなリンドの姿とか
不思議な不思議な夢、それはどれひとつ取っても、彼女ら
無しには語れない夢だった。
ベルダンディーは、夢を見ていた。
恐らく日本一高い山から、その裾野を覗き、そして空には
大きな金色の鷹が宙を舞っていた。
スクルドは、夢を見ていた。
いつもの河川敷で、大好きなあの子に、本当の気持ちが
伝わって、大喜びしていた。
ウルドは、夢を見ていた。
たくさんの想い出が通り過ぎる度に、彼女はその優しい瞳を
潤わせていた。


皆が夢を見ている頃、その主たちの天使達は、そっと
抜け出して、空中で互いの顔を見合わせ、ニッコリ微笑む。
手を取り合って、声には出ないが、新年の挨拶を交わして
それから、お互いの主たちの方を見て、溜息を付いた。
天使達は、それぞれブランケットを持って来て、寝ている
主たちに掛けていく。
掛けられた主たちの、その直後の緊張感と、後の緩和が
楽しくて、面白そうに笑いあった。


それから天使達は、外へと向かう。
母屋の縁側に面した庭に、軽やかに舞いながら現れた姿に
何処からともなく、音色が響き出す。


ポロンと鳴ったハープの弦が、音楽を奏で出すと
天使達は、それぞれ声を合わせて歌い出した。
もちろん人の耳には聞こえない、天使達の声だけど
その優しく豊かな思いは、空気に溶けて行って
周辺をフンワリと包んで行く。
気まぐれな風が吹く度に、優しい思いはどこかへ流れて
きっと君の耳元にも舞い降りる。


夢を見ていた。


夢は音符となって、君の耳元へと舞い降りる。
天使達の甘い囁き、優しく豊かな思いと共に。



天使達の歌声と、寝正月。


by belldan Goddess Life.


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FLASHさん、天龍騎さん、そして私で「お正月企画」を
開催します。
ちなみに私のお題は「寝正月」
お題とあまり関係ないような話…ですね(苦笑)


FLASHさんのサイト
http://kumasu.web.infoseek.co.jp/index.html
龍騎さんのブログ
ETERNAL WIND 〜my goddess〜 ああっ女神さまっ


皆さんのお正月は如何でした?
初夢は見れました?
天使達の、優しく豊かな思いが届きますように。