なぞ・・・

「ウルド姉さまっ?いる?」
返事が無い。また変なお薬でも作っているのかしら?
もう一度、声をかけてみた。
「ウルド姉さま〜!入るわよ?」
襖には法術ロックはされていなかった。スッと開いた襖に
少し唖然としながらも、中にいたウルドの姿を見る。


さらに唖然とした。


「ウルド姉さま? 何しているの?」
熱心にモニターを見詰めながら、ニヤニヤしているウルドに
問い掛けるのだが、これまた返事は無い。
も〜!可愛い姪っ子が猫撫で声出して来たって言うのにっ!
悔しいからモニターの前に立って見た。
「姉さまー!あたしですよー!マリアベルちゃんですよー!」


一瞬遮られた視界に、我を取り戻したのだろうか、ウルドの
表情が変わり、モニターの前に立つ少女に向けられる。
「あ・・・あっ! なんだ、マリアベルなの?」
「マリアベルじゃないでしょ!可愛いあたしがウルド姉さまの
所へ馳せ参じて、甘えようとしているのにっ!」
ウルドは、マリアベルとモニターを交互に見て、思い出したか
のように頷いた。
「ごめんごめん・・・って、アレ?あたし・・・何して・・・?」
不思議そうにマリアベルの顔を見つめるウルドであった。



って・・・ウルド姉さまっ? もしかして健忘症とか?
と言うか、今まで何をしていたのかしら?


マリアベルは不思議に思い、ちらりとモニターを見た。
そこには、可愛いらしい少女達が楽しげに踊っている姿がある
だけだった。
ウルド姉さま・・・どうしたの?何か・・趣味が変わってしまった?


生気を抜かれたような姿のウルドは、時々思い出しかのように
笑みを浮かべ、また意気消沈してしまった。
モニターからは音楽が変わり、今度はふたりの少女が登場して
ダンスを始めた。そして歌! この声・・・聞き覚えがあるわ、と
マリアベルは何かを思い出しそうになる。


双子のような少女達が、歌をうたっている。
聴いた事のあるような声・・・まさか・・・



なぞの転校生(抜粋 の3)


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


わーい、やっつけやっつけ!