女神たちが謳うとき

鳥よ鳥よ 空高く羽ばたいて
弧を描く 飛行線なぞりながら
どこまでもどこまでも舞上がる


その小さな声 耳澄ませて
呼び合う声 紡ぎ合うて
囁く声に 胸高鳴りて


つむじ風 くるりと円を描き
真空地帯に 形が出来た
それは何 それは思い それとも
何時だったか 君が歌っていた詩
浮遊感に包まれながら ここが現在か
それとも過去なのか それすらも
過ぎ去って行った未来の記憶のように


時の守護 女神たちが謳い出す


小さな雨のひと雫が小さな流れに寄り添い
小川になりやがて大河になりて海原へ
長い長い歳月の果て 繰り返される諸行に
慈愛の声が浸透して行くのだ


風に乗り 鳥たちの羽に宿された思いもいつか
あなたのような誰かに届きますようにと
いつもあなたを見護っていますと
女神たちの声が響き出す


「あなたの願いは何ですか」
「私たちの願いはあなたの願い」
「きっと誰かが誰かを愛しています」
「あなたの願いは何ですか」
「ひとつだけならあなたの願い」
「叶えて差し上げましょう」


見上げた空高く遠く澄みきっていて
どこまでも果てしなく思い切なく
君の事考えていたあの日の事を


女神たちは謳う。


by belldan Goddess Life.