留守番

そんな訳で、魔界に行った螢一達の留守を預かったリンドと
ペイオースなのだが…


「ふぅ…どうにか元通りになりましたわね」
「うむ、任務完了って所だな」
ふたりの見目麗しい女神さまっ達は、森里屋敷の縁側で
まったりとお茶をすすっていた。
見上げた空は、すでに夏の空とは違って、秋らしい柔らかな日差し
を降り注いでいる。
時折、涼しげな風が女神さまっの頬を撫でて行く。
「ところでペイオース 本当に大丈夫なのだろうか…」
「ええ、大丈夫ですわよ」
「言い切るんだな」
「ええ、もちろんですわ」


「そうか」とリンドは頷き、もう一度空を見上げた。


遠くから喧騒が聞こえてくる。でもそれは、まったく別の次元の事の
ように感じてしまう。
ここはとても静かだな、とリンドは思う。
まぁ、あの五月蝿いウルド達が居ないせいでもあるのだが、それでも
この空気感と言うか、精妙な感じは天上界そのものだ。


「本当にね」とペイオースは微笑む。


あの方達なら、きっと上手く片付けてくれると信じますわ。
それにしても、この場所。なんて素晴らしい空間なのでしょう!
ここを地上研修地として、後進を育てて行きたいものです。


「ペイオース」
「あの、リンド…」
と同時にお互いを呼び合ってしまった。


たぶん、考えている方向は同じ事。そして、それは螢一達の帰りを
待って実行に移されるのだろう。


by belldan Goddess Life.