森里家の日常5

俺達の戦いは始まったばかりだ…。


そう、この階段を一つ一つ登り続けて行く。
そう決めたんだ。決めたんだってば!
人生はまるで螺旋階段のようだと誰かが言っていた。
上がっているのか下がっているのか、現時点では
判らない。でも一歩一歩踏みしめる階段は確実に
俺達を昇華しているはず、だ。


なのに…


一難去ってまた一難…まこと波乱万丈な人生よのう。
そんな事を、まるでメリーゴーランドのような、
あ、もしかしたらジェットコースターのようか?
どうでもいい。どうでもよくないか?


「螢一さんっ、皆が祝福してくださいますねっ」
「あ、うん…」
何ていう生返事だ。
と言うか、やっぱり、と言うか、あのね、そのね、
俺達のこれからの人生の門出に、何て言うか、


アレじゃね?


「万事休す?とか?」
「そうそう、そんな感じ…って、うわー!」
「何が『うわー』なのよ、失礼ね」
「…ウルド」
「どうやらマジでお困りのようねっ」



しかし、とにかくだ。周りを見ろ。こんなに女神さまっ
がたくさんいるんだ。ある人にとってはこんなに羨ましい
事は無い筈だ。うん、何事も前向きに考えるが吉だ。


でも、何でこんなに四面楚歌な気がしてならないんだ?


前方にどこからかテーブルと椅子を出してお茶している
薔薇の女神さまっと、待機状態を維持している女神さまっ
がいて、左右にトラブルメーカーと、マッチポンプ
仁王立ちしている状況下だった。


あ、後方に隙がある!
ここは戦略的撤退、いわゆるプランBを開始するのが
最善策だと判断した螢一は
「ベ、ベルダンディー…ちょっと買い物に行こうか?」
と咄嗟ながら、我ながら会心の転機を思いついた事に
安堵を得た。
「買い物…ですか?それって、デートとか?」
ベルダンディーは不思議そうに尋ねてくる。
「そ、そう!デートだよデート!」
「まぁ!」
「善は急げって言うし、ね」


そういう事でダッシュして裏にまわり、サイドカー
起動させ、その場を後にする若夫婦だった。



つづく


by belldan Goddess Life.


*** *** ***


一騎当千の女神さまっ達から逃れられると思っている
ゆかいな若夫婦の明日はどっちだ!

そんな感じのかれらの日常でしたー。