透明感


小寓寺を後にし バス停でひとりバスを待っている時に

私は 志摩子さんの事を 再び考えるのだ。

儚げな乙女 お寺の娘には見えぬ その風貌と

透明感は いつだって私を引き離そうとはしない。

何かの本で読んだことがある 実は白色って透明だって

桜並木 銀杏の並木 まるで舞い降りた 天女だ

いたずらに吹く風が 志摩子さんの髪をなびかせると

心がキュンとなる どうして良いか分からなくなる

「待って!」 「どこにも行かないで!」


ある日 二人でお寺めぐり 教会めぐりをした時の事

光の教会って所へ 行った時の事 覚えてる

十字架が 教会の外からの光によって 形成される

その壮大な感性を ふたりは とても喜んだ。


光ってとても大事だ 光は私たちを見守っているようだ

例えば 後光とかもそうだと 思う。

志摩子さんの透明感と光 それは決して離れない

私たちも そうありたい、と本気で思った。