記憶の螺旋

 スパイラル  螺旋の記憶を辿る。


また慌しく現れたもんだ と螢一は思う訳だ。

「螢ちゃん 螢ちゃんっ!ど〜するの〜?」

ってちょっと待てっ!主語がないぞっ!と

「んで 何をど〜すんだ?恵は?」

何言ってるのよ〜と恵 「鷹乃さんっ!母の日の事よっ!」

要するにだ 母の日に鷹乃さんにプレゼントをあげようって事で

それにしても これは中々厄介な事になりそうだぞ と

そこへ

「あら♪いらっしゃい恵さん♪」

満面の笑みでベルダンディーの登場だ (上手からか?)

「あ お邪魔してま〜す こんにちわ♪」

「はい こんにちは♪」

ちゃんと挨拶をする妹に 感心する彼だが それは置いといて

「で 恵はプレゼントとか考えてあるのか?」

ちょっと兄貴ずら的感覚で そう言うと

「何言ってるのよ〜!ほら〜プレゼントとか受け取らない人だもん」

忘れたの?と訝しげに螢一に答えた。


「一体何のお話かしら?」

紅茶を運んできたベルダンディー 不思議そうに螢一に尋ねると

ベルダンディーっ!実はね ちょっと悩んでるんだ あのね…」

恵は母の日のプレゼントの事 鷹乃さんへの贈り物について

どうしようか?と悩んでいる事を告げて

「そうそう ベルダンディーはどうするの?母の日は?」

何か良いアドバイスとか聞けるかな?って気持ちで尋ねた。


「母の日ですか? あのぅ...螢一さんっ?それって…」


ああ なんかヤバイ…そう感じた彼は

「ああ ベルダンディーの国は 日本とはちょっと違うから ね」

「そうなんだ〜そうよね これって日本独特の風習だからね」

何となくだけど 納得したような恵


ところで鷹乃さん どうしてだか 
俺たちからのプレゼントって受け取らないんだよね

昔一度 香水か何かを恵と一緒になって買って あげようとしたら

「ありがとう だけどこれからは何も要らないからね」

と にっこり笑顔で制されてから

「あなたたちが居るから 後は何も要らないのよね♪」


でも そんな鷹乃さんだからこそ 何かしてあげたいんだ

それは恵も同じ気持ちだと思う でもなぁ〜...


その日の夜 ベルダンディーは夕食を済ませた螢一に

「螢一さんっ?あの〜母の日って・・・」

「そうだ ベルダンディーのお母さんって どんな人?」

人って聞くのは変かな とか思いながら

「もし良かったら話してくれないか?」


「お〜何だか訳ありな面白い話をするみたいじゃない?聞かせてよ」

ウルド姉さん 熱心にTVを観てたかと思ったら

「ウルドのお母さんの事は知ってるよ ヒルドだろ?」

話の腰を折るな と言いたい所だが もしかしたらウルドも知ってるかも


「あのさ ウルドは知ってるの?ベルダンディーのお母さんの事…」

「誰に物を言ってるのよっ!このウルドさんが知らない事は…」

そこまで言って ちょっとベルダンディーの表情をみて

「や〜めた 面白くないもん」

じゃね と言ってウルドは部屋を出て行く

「ありゃ…ねぇ」 とベルダンディーの方を振り向くと

何故だか悲しげな表情な彼女がいた。





 ちょっと休憩(爆)