女神さまっのクリスマス最終章(多分...
さて、女スパイか、はたまた女盗賊か...って(笑
神出鬼没な我等が姉御と言えば、この方 ウルド姉さん
ですが、仙太郎君とお連れの女の子を追跡するのでありました。
結論から申し上げますと
「やれやれ、取り越し苦労だわねぇ」だそうで
ちょっぴりツマラナイ姉さんでありました。
さて事の次第をスクルドにどうやって説明しようか...と訝ってましたが
そこは機転の利く女神の長女であります故
「そうだわ〜仙ちゃんに説明させるのが一番よねっ♪」
にっこり笑うウルド姉さんは、キャーっといった面持ちで
両手を胸で握り締めるのでした。
「仙太郎君♪ごきげんよう♪」
そう言って満面の笑みで、彼に近づくウルド姉さん
「実はさぁ〜スクルドがねぇ」
スクルドの名前が出ると黙って要れないのが仙太郎君
ウルド姉さんにスクルドが誤解しちゃってるわよ。と聞くと
「ああ〜!ち、違うんだよっ!この子は…」
背中に嫌な汗が吹き出るのが分かる...
「分かってるわよぉ〜でもね、あの娘は...」
ねっ、分かるでしょ?と仙太郎に言うと
「ねぇねぇ?何のお話?あ〜!ウルドお姉さんですよねっ!」
初めまして〜♪と行儀良くお辞儀をするのは仙太郎君が
連れていた女の子だった。
「あら♪礼儀正しい子は好きよ〜ごきげんよう…と、お名前は?」
「はいっ!申し遅れましたが、あたしは新宮寺祐美って言いますっ!」
「うん、コイツは僕の従妹で…お寺の娘なんだ...」
「コイツって言わないでっ!仙太郎お兄ちゃんっ!」
「へぇ〜祐美ちゃんって言うのね〜よろしくね祐美ちゃん♪」
ウルド姉さんの策士たる由縁が本領発揮する時が来たようです(笑
仙太郎君に、今日は何してたのかとか聞くと
どうやらスクルドにクリスマスのプレゼントを買いに来てたそうで
「うん、女の子に贈る物って良く分からないから…」
だから、従妹の祐美ちゃんにアドバイスを依頼したと言うのでした。
当然、祐美ちゃんへの報酬もあって
アイスクリームと、クリスマスのプレゼントと…
「だから、お小遣いが…」
と淋しそうな仙太郎君
「いいのいいの♪それでこそ男の子よねっ♪」
ウルド姉さんは嬉しそうに言う。そして
「じゃあ、スクルドより先に、家に行って待ち伏せしちゃおうか?」
フフンと得意顔をするウルド姉さんだった。
一行は、ウルド姉さんがどこから出したのか知らないが
とても不思議な乗り物に乗って、一路 他力本願寺へ向かった。
(とても不思議な乗り物に対しては、ご意見無用で...)
「みんなで驚かしましょうね♪」
ウルド姉さんがそう言うと
「でっかいサプライズですよね〜ウルドお姉さん♪」
祐美ちゃんも満更ではなさそう
「やれやれ…」
複雑な気持ちの仙太郎君は苦笑いするしかなかった。
ジングルベル〜♪ジングルベル〜♪と街はクリスマス一色だが...
「どうしたの?浮かない顔して…」
心配そうにスクルドの顔を覗き込むベルダンディー
「仙太郎君の事…気になるのね...」
コクリとうなずくスクルドであった。
こんな時は、どうしたら良いの?笑う事も泣く事も出来ない…
仙太郎に会って、誰なの?と聞けば済む事なのに
怖くて聞けないもん...
もし…もしかして…
だんだん怖くなって行く自分の思いに押し潰されそうなスクルド
歩く事も出来なくなり、その場に立ち尽くしてしまう。
「スクルド、元気出して!」
ベルダンディーは優しく、でも力強く言った。
「スクルドは仙太郎君の事をどう思っているの?」
「え?…そ、それは…」
どうにも言葉に出来ないスクルド、それがもどかしい…
「仙太郎君の事、好きなのね♪」
「…う、うん...」
「その気持ちがあれば大丈夫だわ。だって…」
だって、本当にそう思って心に素直になれば
心配する気持ちや、気になって仕方ないって事は当然だから
ベルダンディーは言葉を続けた
「本当に好きなら、たとえどんな結果になっても相手を受け入れる事だと
そう思うの」
自分の弱さに負けないで、スクルド…
そうよっ!そうだわっ!あたし…まだ何もしてないもん!
「うん、あたし、仙太郎君に会って、聞いてみるっ!」
さてさて、どうにか元気を取り戻したスクルド
ベルダンディーとお買い物も済ませ、もちろんプレゼントも買って
ふたり仲良く家路に着きました。
母屋の玄関口…その向かって左側の居間に隠れて三人の策士達が
今か今か、とふたりの帰りを待っている。
その時、その瞬間、ふたりの思いは昇華するのだろうか?
ここから後は、皆さんのご想像にお任せするとして...
素敵なサプライズが毎年訪れる…それがクリスマス
聖なる夜に聞こえるメロディーは、いつも懐かしく
いつも神聖だ。
メリークリスマス♪皆様に幸あれ♪
続きと言うか、後日談は25日にUP予定(逃亡