女神さまっの翼は...

愛の翼は...

公式サイトで連載されていた
ああっ女神さまっ 初終 外伝 夢見る翼」


ああっ女神さまっ この作品に癒しを求めるファン達には
少々ショッキングな出来事が満載だった
物語の外伝として描かれていたのは
天上界の出来事でした。


1級神候補生が主人公であるこの物語には、天上界の
多くのエピソードが書かれており、とても面白く
読ませて頂きました。


この物語の著者である、冬馬由美さんの視点とか
声優として長きに渡って携われた冬馬さんの考えとか
色々と思考できる材料があって、意味深いなぁと感じてます。


個人的にも、一度は天上界の模様を描きたいと考えてまして
それでも何だか不可侵な部分があって、書いて良いものやら
考えあぐねていたのも事実なのです。


そう言った意味でも、この作品はひとつの視野を広げた、と
言っても過言ではないと思ってます。
ぶっちゃけ「書いてもいいんだよな?」と言う疑問文が
「書いても良いんだっ!」と肯定文になった…そんな気も
するのですが、皆様いかがでしょうか?


この作品に対して、とても悲観的な思いを持った方も多く
主人公である、森里螢一くんの死とか、全てをリセット
しなくてはならない状況に陥った事とか、かなりショッキングな
展開がありましたが、それでもお互いを思い遣るシーンとか
とても秀逸なものがありました。


この作品のタイトルになっている 初終 とはそのまま
初めての終わり、と考えて良いのではないでしょうか


エントロピーの法則の如く、次第に下降線を辿って行くのは
物理の法則のようではありますが、これもまた真実。
しかしながら、女神たちは全てをリセットする事により
新しく、世界を構築して行きます。
これは人類の歴史を振り返ってみると、こうしたもの
いわゆる文明の栄枯盛衰があり、その中で人類は生まれ
生きて来たという事も事実なのであります。


あるいは仏教にある 転生輪廻 を考えますと
人は永遠の過去から、永遠の未来へと旅を続ける者だと言えます
その時々に、地上界に生まれ、その時々の文明に身を置き
幾多の経験を積んで、やがてまたあの世に戻って行く…


こういった観点から考えて見ますと、この物語はただの終わりでなく
始める為の終わりだったのではないかと考えられると思うのです。


真っ白なノートに、愛し合う二人は再び何かを描くでしょう
なぜかしら惹かれ合う心の絆は、不思議なことですが
どんなにリセットしようと消えやしないと思うのです。


世に言う 魂が惹かれ合う ってヤツです。


原作にある設定としては、ふたりは異世界人なので
同一時間軸に存在するのは、実はとても困難な事かと存じます
しかし、ではなぜふたりは出会ったのでしょうか?
きっかけとしては、間違い電話だとか、他にも色々あるでしょうが
答えはひとつしか無いと思うのです。
それは何か…それを考えながら作品を楽しむのがステキだと思う。


人類の歴史を振り返っても、惹かれ合う者同士の奇跡を見たと言う
人は多いでしょう。
それは映画でも良いし、小説でも良いし、またそれらの殆どが
実は現実にあった出来事だという事知ったら、あなたはどうしますか?


すぐれたクリエイター達が、絵画や、小説、戯曲、音楽に託したのは
言うまでも無く 愛と言うものだと思うのです。


しかし、どんな作品を見たり聞いたりして感じるものは
受け手の自由です。ですが、ほんの少し視点を変えて見るのも
実に味わい深いものがあると私は考えています。


ザッと感じたままを書いてみました
感想文にもなってませんが、これが私の感じた事です
ああっ女神さまっ」に対する思いは、いつまでも永遠にあるからです。