ああっ君の隣に

僕は君を忘れない

その時感じた 小さな思い
小さな芽が 何時しか大木になる事を
知らなかった...


君のその悲しみを 僕は背負う事ができる
だろうか?
もし俺が 君と同じ運命なら 耐えられる事が
できるだろうか?


風を頬に受け 髪を遊ばせるようにして
風上を見詰める その姿よ 顔(かんばせ)よ
透き通った空気を集めて 空へと飛翔させる
高貴な意識 聡明な瞳の奥に輝く光


そして歌が 流れ始める
彼女の紡ぎ出すメロディは
透明な風のようになって 空気を振るわせる
ひとつの声が まるで何重にも重なる交響曲


それは大地の子守唄
それは空への協奏曲
そしてそれは 心に残る聖なる調べ
いつか昔 聞いた事のあるメロディが
小さく 小さくなる頃
彼女が振り向いた。


「螢一さんっ♪風がとっても心地良いですね♪」


ベルダンディーと久しぶりに歩く河川敷には
秋から冬へと その佇まいを変えた様相が広がっていた
ただふたりで歩く その空間 その時間はいつでも
特別なんだ、と思う。


「うん、そうだね」


ふたり、肩を並べて歩く河川敷
デートとも呼べない ただ歩いているだけ
今の俺には これが精一杯だけど
君の隣にいれる事を誇りに思うよ


俺の願いは叶ったよ
だから…その…君の願いは何なんだい?


声に出せない 小さな思い
小さな思いが いつしか成就する事を
知らなかったよ 今迄は


君の隣に 俺がいる
俺の隣に 君がいる
約束の時間を 無限に変えよう
あの頃 感じた 思いのままに。



 ああっ君の隣に  by belldan Goddess Life.