ああっ整理整頓っ

冬のある日...


「螢一さ〜ん!コレ、どうしますか?」
冬なのに、そこだけ春の花が咲き乱れたような声に
森里螢一は、部屋を整理していた手を止めた。


ここは森里屋敷…そう、彼の部屋だ。


あまりにも片付かない部屋、途方に暮れていた年末だったが
忙しさに感けて、そのまま年を越してしまったのだ。
あのスクルドでさえ、姉(ベルダンディー)の言い付けで
しっかりと部屋の掃除をしていたのに…
「くっ…」なんて屈辱だ、とその時は思ったりもしたが
言うなれば、自業自得なんだよな。


「あ、それは…そのままで良いよ」
彼女が手にしていた古雑誌を見て、俺は言った
「でも…これじゃあ、ちゃんと片付かないですよ?」
と、困り顔の女神さまっ


そうだよな…実際、そうなんだな…でも捨てられないんだ
古いバイク雑誌やら、車の雑誌なんだけど
時々、思い出したかのように見たくなってしまう自分が居る
切り抜いたり、写真とかはパソコンのファイルに入れてしまう
って手も、あるにはあるんだが…
それは適わないな、と思った。
実際、俺ん家にあるパソコンは、とても古いものだし、ね。


「あ♪」
今度は何を見つけたんだろうと思った
「ど、どうしたの?」


どうやらアルバムを見たらしい。


「これって…私の名刺ですよね?ちゃんと持っててくれた♪」
初めて会った時、彼女がくれた最初のプレゼント…
プレゼントが名刺ってのは、何だか可笑しな話なんだが
それでも、とても嬉しかったのを今でも鮮明に覚えてる。


あの頃…マジで女の子に縁がなかったからなぁ…


今では、そんな思い出話を出来る素敵な女神さまっが
俺の傍にいるんだ、と思うとちょっと誇らしげな気分になる


でも、こうして時間が過ぎてしまって中々片付かないのは
思案に暮れる所だな。
こんな事を考えていると、とても不思議そうに俺の顔を覗き込み
「どうしたんですか?あの…私何かヘンな事を?」

「あっ、いやいや!うん、ちゃんと持ってるよ」
そんなの決まってるよ!と、言うと、とても嬉しそうに笑うんだ

「あ、お茶にしましょうか?ちょっと休憩、ね♪」
そう言って、いそいそと台所へ行ってしまった。



今日中にはとても無理だなと、ぼんやりと考えてしまった(苦笑




 ああっ整理整頓っ  by belldan Goddess Life.




 ちょっと私的な事ですが、某所を整理しました。
しばし倉庫代わりに使用しようと考えてます。
アクセスは出来ます、出来ますがMSNのIDを取得されている
方限定になっておりますのであしからず…。