Ah give a song to me...

天界一の歌声と誉れ高い、女神ベルダンディー
彼女の歌声、そして歌を聴いてみたいと
多くの異世界からも、オーディエンスが殺到する。


気まぐれな風が吹く 高い山の頂に
女神が降臨する姿を見た者は幸いである
これは、彼女がまだ天上界に居た頃のお話...


「思いには力があるんだ」
そう言って先生は笑った
「そしてね、その道具として言葉がある」
使い方には、特に気をつけて…と
「さらにそれ等にメロディーが重なれば…」


「どうなるのですか?先生?」
小さな女神候補生は、きょとんとした面持ちで尋ねる

先生は、とても素敵な笑顔で答えた
「それが歌だよ ベルダンディー
先生は、教卓をコンコンと叩きリズムを取ってみせる
「そして これがリズムだ」
それは4拍子の、当たり前に聞こえるリズム
でも、何だかウキウキする、心が弾んでくる。


小さな女神候補生は、体が左右に揺れるのを感じる
音がダンスするように聞こえるのはナゼだろう
不思議な事がたくさんたくさんあるんだね
それが想像する力、そして創作する力になる


「さて 今日覚えた事を忘れないで…」
そして何か心に感じたものを歌ってごらん、と先生は言った
帰ったらウルド姉さんにも教えようと思った
すでに姉さんなら知ってるかもしれないが、それでも
言いたかった。
「先生 ありがとうございました!」
小さな頭がお辞儀すると、これまた小さなポニーテールにした
髪の毛までもがお辞儀した。


帰り道、いつものたくさんの花が咲いている帰り道
少し立ち止まって、可憐な花びらを見てみると
花々も歌っていたのを感じた。
「あ そっか!」
関心を持つ、という事…それも先生が教えてくれた事
この世界には、歌があふれているんだ
思いを伝える為に 願いを届けるために。


このステキな発見を、どうすれば表現できるの?と
思っていたら、何だかとっても歌いたくなって来た彼女
知らず知らずのうちに、メロディーがあふれ出してきた
小さな女神候補生の、まだそれはとても拙い歌声だったが
通りの花々や、木々はとても嬉しそうに声を揃えて
彼女の歌声に賛同したのだった。



 小さな女神の歌声は  by belldan Goddess Life.