ああっ暁の河川敷で...

いつもこの景色を見るたび思う事がある
黄金色に染まった西の空 雲間に棚引く
色彩の荘厳さに 時の立つのも忘れて...


「うわ〜!」
「うん!とっても綺麗だねっ!」
小さな恋人同士…でもまだ、愛を知るほど
二人の距離は近くないのだが
それでも時々、こうして会って
初めて二人、出会った河川敷で時を忘れて
夕日を眺めるのが、お気にいりだった。


ふたりは堤防の下草に座り、喋る訳でもなく
同じ空を見ていた。
河川敷で遊ぶ人々がまばらになる頃には
茜色の空も、紫がかってくる
そして、あたりは少し静けさを帯びてきた。


「もう帰らなくちゃ…ね」
「…うん そうね…」
どうしてだか、彼女の顔を見れない彼
どうしてだか、下を向いてしまう彼女


つまらなかったのかなぁ…と彼は思った
楽しくなかったのかなぁ…と彼女は考え
「あ、あのさ…今度…」
「あ、あのね…明日…」
「あ」
「あ」
ふたり同時に、言葉を綴り
ふたり同時に、顔を向き合い
ふたり同時に、笑ってしまった。


明日の約束…それは未来への切符
どうかこのまま、ふたり同じ列車の同じ席で
手を繋ぎながら、向かって行けますように、と…


「じゃあ、そろそろ行こうよ!」
と彼、立ち上がる手助けとして手を差し出すと
「うん」
その手を、それはとても自然に掴んだ彼女は
片一方の手で、服についた草を払った。
いつもは「じゃあね」と振る、この手を
彼はしっかりと握ってくれているのが
何だか嬉しい、何だか切ない…


手を繋ぎ、歩いて行く帰り道に
野生の花が風に揺れる帰り道に
どこまでも いつまでもと願い続けて。



 ああっ暁の河川敷で...   by belldan Goddess Life.




 *** *** *** ***



「ああっ自転車に乗って」概要
 その1
買い物用の自転車が無くなって、不便を強いられていた女神さまっ
しかし彼女は、幸運の女神さまっでもあった。
彼と同じ職場の店主、藤見千尋さんが、ふとした事から某自転車メーカー
のとあるカテゴリーの自転車のモニターになってしまう。
ところが彼女、割と横柄な性格があって、なんと従業員である女神さまっに
そのモニターを押し付けてしまった。
そんな訳で、幸運にも無料で自転車を手に入れてしまったと言うお話。
 その2
最愛の女神さまっの愛用の自転車が壊れてしまった…
その事の重要性を痛烈に感じた主人公は、あらゆる手を尽くして
掘り出し物の自転車を入手するが、しかしこれがまたいわく付の代物で
森里家は大騒ぎになってしまう。
最後には、女神ベルダンディーの機転で事は収まるのだが
またしても女神さまっに恋をしてしまったマシンが登場してしまった…
と言うお話。



「LIFE」で登場したマリアベルのその後


今現時点で登場させるのは、かなり困難な事です。
言うなれば原作から登場した「小ちゃいって事は便利だね」的感覚の
別世界の出来事として考えているからです。
とは言え、今後どんなお話が出来るのか…それは私も予測できません
ニーズとして需要の声が多くなれば、もしかしたら…って事もありそうな
気もします(苦笑)