ああっあの空へ

ため息をついて うなだれている
河川敷の土手に咲く 小さな花
ひまわりの様に いつも太陽に向かって
ほころぶ様な笑顔を咲かせたいと


なのにどうして私は こんなに脆弱なんだろう


気まぐれな風に もてあそばれる様にして
風の吹くままに 右へ左へと頭が揺れていた。


「螢一さぁ〜ん♪」
ベルダンディーはかなり後ろから歩いて来る彼に
手を振ると、ちょうどその花のそばで立ち止まった
「あら?」
花一厘、頭をたれているのを見つけ、それから彼女は
その花のそばに座った。


どうしたのかしら?どこか具合でも悪いの?
そう思ったベルダンディーは花に尋ねる
小さな花は、突然の女神さまっの来訪に驚くが
それでも下を向いていた
「どうせ…どうせ私なんか…」
「私に出来る事があれば、何でもして差し上げますから」
ベルダンディーがそう言うと


「じゃあ私を、いつもあの空を、あの太陽に向かって
 笑顔でいるひまわりの様にしてくださいっ」
女神さまっは、ふ〜とため息をついて、それから
笑顔でこう言ったのだった。
「あなたにはあなたの、ひまわりにはひまわりの使命が
あると思うの だからもし、あなたがあなた以外の誰かに
なるのは、とっても不幸な事なのだと思います」
そして彼女は、その両手に小さな花を抱きしめるようにして
「あなたが此処にいる事、それだけでとても素晴らしい事
誰かの役に立つだろうし、それに私にもくれたわ♪」


「何をですか?」
不思議そうに花は女神に尋ねる
「そうね…私には愛を…そして」
「そして?」


「おお〜い!やっと追いついたよ」
新しい自転車の試乗も兼ねて、デート…とは言い難いが
ふたりで河川敷に来ていた螢一とベルダンディー
もちろん二人乗りは禁止なので、ベルダンディーだけ
自転車で先行していたと言う次第だったのだ
「どう?その自転車の乗り心地は」
「ええ♪とっても素敵でした♪」
「そう、よかったっ!」
とても満足そうに螢一は、彼女のそばに座ろうとして
一瞬躊躇った
「あ、花が咲いているね!へぇ〜」
と感心しきりの彼
「とっても小さいけど…でも一所懸命咲いているんだね!
うん、何だか勇気を貰ったみたいだ 元気が出てくるね〜!」
俺も、もっと頑張ろう そう続けた螢一の言葉に
「私もですっ たくさん頂いたの♪」
女神さまっは、とても優しく微笑んだ。


ほら、螢一さんには勇気を与えてくれたわ
ありがとう 小さなお花さん
風が風であるように 太陽が太陽であるように
あの空へ向かって あなたはあなたの出来る事を
それが笑顔なら なんて素敵な事なんでしょう♪



 ああっあの空へ  by belldan Goddess Life.




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例の自転車話に対する突っ込みが無かったのは幸い
概要(あらずじ)だけで申し訳ありません(苦笑)