ああっ声を重ねて

声を重ねて...


雨音に気がついて 窓の外を見る
ノイズのような音 外はまるで別世界のように
銀色の垂れ幕に覆われている
昨日 乾いた空気が一変したのを思い出した
縁側のふちが濡れている あ 雨の匂いがする
濡れた木々が醸し出す それは不思議な芳香に
世界の時間が止まった気がするのは何故でしょう


突然の訪問客 それは雨宿りに来た小鳥達
小さな翼を休めに来たのね どうぞお上がりくださいな
「チチチ...」
小さなクチバシから声があふれてくる
それはまるで歌うように 奏でるように
とても心地良い調べを聞かせてくれる。


それで私も声を重ねてみたの
昔教わった天上界の調べ
この世界が そして未来が幸せであるように
思いを込めて 歌を歌ったの
雨の日の魔法 雨の日の奇跡


やがて西の空に 空が顔を出す
止まっていた砂時計も サラサラと音を立てる
夏への準備期間 それが梅雨だとすれば
この大地は とても至福の時間を含んで
明日へと径行していく とてもゆっくりと
濡れた木々の葉に日が注ぐと 眩いばかりの
虹が浮かび上がるから 天使達は虹の橋を渡って
この世界にまた 遊びに来るのでしょうね。


いつか
この世界で 私にも天使が…



 by belldan Goddess Life.