ああっ忘れ物?

「あ…えっと…」
なんだっけかな?とワールウインドの店主は思った
受注は出したし、森里君は配達に出てるし...
「ねぇ〜ベルちゃん!」
「はーい」
と店先から返事が聞こえた。


森里君の恋人である彼女は、私の店の従業員でもあり
私同様バイクの気持ちが分かる女の子だ
もちろんバイクにかけての情熱は、私の方に軍配が上がるが
それはさて置き、とても気の利く娘さんなのだった。
私が独立する際に、人手を要した訳なのだが
母校の自動車部に、とても良い人材が居たのは幸いだった
その彼が森里螢一君って訳だが、彼には素晴らしい彼女が居て
その子も一緒に仕事をしてくれるって事になった
それも時給500円でだ!まぁ、今はまともな時給を支払って
いるのだが、それでも彼女の能力給を換算すると…


「はい、千尋さん?何でしょうか?」
にこやかに箒を持って店内に入ってきた
その笑顔が目的で、多くのユーザーが増えた訳だが
私も何のその負けてはいないと思う…
可愛いバイクショップに綺麗な女主人と綺麗な店員…
まさにバイクショップのツープラトンなのでは、と自負している
最近である。


「あっと…え〜とねぇ」
と、私自身も彼女に何を聞きたかったのか
そして何を私は忘れてしまったのか、それすらも忘れて
「あのね、私ね…何か忘れてないかしら?」
と、かなり素っ頓狂な質問をしてしまった
「…そうですねぇ…」
と、かなり真剣に考えてくれているらしいので
「あ、いや…もういいの…忘れてっ」
何だか申し訳なく思い、柄にもなく赤面してしまった
どうしてなんだろう、この子を前にすると、とても神聖な
気持ちになってしまう
後で森里君に聞いてみようと思った。


今年は入梅も遅かったし、雨も少なそうだ
猛暑の予感がするなぁ...


 by belldan Goddess Life.













































あ、思い出した
「ありがとう いつも」
そう言いたかったんだわ。