ああっ酔いどれ女神さまっと

猫実市の郊外、小高い丘にある他力本願寺
そのさらに上には、小さな庵があって
とある小説家が、時々思案を巡らせに来ると言う。


「う〜ん…締め切りか…」
まったく、何でこう締め切りってもんがあるんだろうと
ブツブツと呟きながら、坂を登っているのが
その小説家だ。 名前は…まぁ、通称 熊さん とでも
言っておこう(笑)
だからその小説家の庵の名も、通称 熊巣と通っていた


その庵から、そんなに遠くない他力本願寺には
ひとりの男と、三人の女が暮らしていた
静寂に包まれたその空間には、とても心地良いものを
感じたのだが、どうも勝手が違う…


そんな折だった


彼は愛用のバックに、堕天使(日本酒)を忍ばせて
意気揚々と庵へ向かう最に、突然どこから現れたのか
知らないが、褐色の美人と遭遇してしまう
それはちょうど他力本願寺の正門の前なのだった。
「ああ…すみません…ちょっと考え事をしてて…」
そう言って、いきなり出くわした美女に謝罪をした
「いいのよん〜こっちこそ…あら?」
彼の愛用のバックから、ちょこんと顔を出していた
日本酒の瓶を素早く捕らえた彼女は
「へぇ〜趣味が良いわねぇ…」
何やら、とても興味がありそうな素振りをみせる


まさか…この俺に…いやいや、そんな事は…


「ねぇねぇ、それって日本酒でしょ?ちょっと見せ…」
彼女は、とても強引だったが、何故だか抗えない
「お〜!堕天使じゃないのよ〜!」
彼女の話を聞くと、この日本酒はまだ飲んだ事が
無いらしい…それは本当かどうか知るべくも無いが
そうこうしている内に、彼女に誘われてしまった
いや、誘われたのは、この日本酒だがな(笑)


「ああ、良いですよ 一献かたむけますか」
彼は快く了承する
もっとも、否定する理由なんか見つからない
この所、憎っくきシメキリのせいで、煮詰まっていたし
こんな美人に誘われて、断るか?普通…


そんな訳で、正門から入ったふたりは母屋へ向かった
後は、いつも通りの縁側での、にわか酒飲み会だった。


時々彼は、庵に向かう
その時は、珍しい日本酒を数本持っていく
もちろん、あの褐色の美女との酒盛りを楽しみにして…。



 熊巣(FLASHさん)「ああっ女神さまっ」6周年記念


 ああっ酔いどれ女神さまっと   by belldan Goddess Life.



 *** *** *** ***


あっと書き忘れる所だった。
もちろんこのお話は、ガンパレ&女神さまっサイト運営されている
熊巣ことFLASHさんへのギフトであります。
作中に登場する人物は、もちろんフィクションなので
間違っても、FLASHさんのサイトで質疑等は謹んで頂きたい(笑)