Summer Breeze

何だか周りの空気感が変わる時ってあるよね
季節が確実にシフトしたんだって感じる朝に
夏の本気(笑)を見たような気がした。


日陰のコントラストは、クッキリとして
流れる汗は、梅雨の頃とは違ってサッパリとして
でもまぁ、それでも暑いのは暑いのだけれど ね。


春に生まれた子猫達も、やんちゃ盛りの夏
暑い日中を避け、夕暮れ時に庭で遊んでいる
風が吹き抜ける、その一瞬に揺れる木々の梢
見上げる空の青と、緑の融合に目を細めて
夏の香りを楽しもう。


夏の日。


他力本願寺の境内は広い、そしてたくさんの動植物が
共存し、競い合っているようにも見える。
それは小さな迷い猫、黒くて小さな瞳の中には
世界の不思議が見えている。
この広い世界を、興味が尽きるまで探検しようと目論んで
どうやら迷子になってしまったようだ。
「ニャオニャオ〜ン...」
帰る場所がわからない、いやいや、そもそも帰る場所って
どこだろう?そんな切ない声にも聞こえる。


お昼の日差しはとても強烈で、すぐにでも日陰に避難しなきゃ
どうにかなってしまいそうな午後、買い物帰りの彼女に
出会ってしまう。


Cat meets Goddess...


「あら?猫の声が聞こえる…どこかしら?」
お昼は素麺にしましょう、と考えていたベルダンディー
肝心の麺汁が切れていたのを思い出して、買い物に出かけていた
その帰りに、正門から母屋へ向かう途中で子猫の声を聞いたのだ
草陰からそっと顔を出す、小さな瞳、黒い子猫…
「まぁ、あなただったの…どうしたの?迷子かしら?」
そっと手を差し伸べると、甘える声でその手に寄り添う。
女神の手に抱かれた、小さな猫は、そっとつぶやくのだった
「帰るお家がわからないの…」
でもここは安全、この手はとても安らぐ…そんな素振りで
子猫は女神の顔をじっと見つめる
「もしかして…お腹が空いているのかしら?」
丁度良かった、お昼だし、この子のご飯も用意してあげましょう
そう思って彼女は、子猫を抱いて母屋へ向かった。


夏の風が彼女の髪を櫛いで行った後に
夏の香りが境内に充満していった。



Summer Breeze 1.


by belldan Goddess Life



 *** *** *** ***


アフタヌーン9月号「ああっ女神さまっ


 記憶を無くしても、各々の趣向には敏感な森里家の人々
これが意外と奥深い意味を持つのですよね。
あ、勿体無いから書くのを中断(笑)


それから例の話、見事に頓挫(苦笑)って言うか、掲載するのを
躊躇してます。
着々とお話は進行するのですが、今は時期じゃないと判断した。
しかし優柔不断な性格ゆえ、どうなるかは未定(苦笑)