彼女の散歩道

彼女の散歩道 風の通り道
それはまるで 導かれる様にして
ふたりはそぞろ歩いて行く。


風に揺れる 長い髪が
まるで踊るっているように見える
ささやく声と ささやく声が
ひとつになる場所探して歩こう。


街路樹は青々とした葉を茂らせて
木漏れ日の中に世界を作ってる
彷徨い来る来訪者は誰かしらと
心躍らせて ひとみは輝きだす。


それはきっと季節を知らせる妖精
君に惹かれてやって来たのさ
俺には見えないけれど きっと
だって君は風の歌を歌うから。


「螢一さんっ 感じませんか?」
「ああ、見えないけど感じるよ」


公園にはベンチがあって
池があって 水鳥がいた。
俺達はそこで少し休憩を取った。
そこは木陰で とてもひんやりとして
夏の日差しを緩和してくれていた。


彼女の手を握る俺の手が熱い
それは夏のせいじゃなくて
ふたりの間の温度だ。


風が頬を撫でて行く
火照った温度を冷ます様にして。
このまま見失わぬ様に
ふたりの温度 ふたりの距離。


 キスをした。



 彼女の散歩道


by belldan Goddess Life.