Kiss on your lips ?

俺は何でこんな所にいるんだろうと、考えている。
ひとりで筏に乗って、漆黒の海を彷徨している。
「ははん、これは夢やな」
俺はニヤリとして、ギュと俺の頬をつねってみた。
「い、痛いやんかっ!」
あれ?…んじゃ、これは夢じゃないのか?だったらなぜ
俺は一人で夜(のような)海へ(しかも一人で)筏を漕ぎ出したのだ?


俺は恐る恐る、その漆黒の海(の、ようなもの)に手を浸けてみた
それは液体のように見えたが、どうもゼリーのような感じもする。
「と、言う事は…」
と、言う事は、この筏、つまり俺を乗せた筏は、どこにも行けず
ただこの地点に在る・・・と言う事なのだ。
俺はパニクった…「うわぁぁぁ!」 そこでさらに暗転する。


「ヨシさん?ヨシさんったらっ!」
遠くで俺を呼ぶ声が聞こえてくる。聞き覚えのある声、そして
愛しおしい声であった。
それに何だか頬が痛い…この感覚、これは生きている証拠なのか
「ん…ううう…って!あれ?」
「んもぅ!ヨシさんたらっ!よだれ垂らして寝てましたよ?」
マリーミは、それはもう俺の顔から数センチ…いや、数ミリか
そんな近くで、俺の顔を凝視している。


顔、近いよ…うれしいケド…


「んあ?って…あれ?俺、寝てたんや…」
「そうですよぅ〜で?何でよだれ?ははん…」
「ははん…って何やのん?」
「あれですね!ほら、あたしの好きな納豆の・・・」
「そ、そんな夢、見るかいなっ!」
「どうでも良いけど、そろそろ起きてくださいね」
そうか・・・今日は俺たち、揃って海に遊びに良く日だ。
それからマリーミは俺のおでこにキスをした。
「え?」
「ヨシさんっ おはようの挨拶ですよっ」
とても上機嫌なマリーミは、続けて
「おでこより、お口の方が良かったかな?」
と、シレっと言う。


一体何処からそんな物を…と言うか、情報を入手したんやろ
しかも俺は激しく混乱している・・・と言うか、更に言えば
俺の一部が激しく・・・って、そこまで言わせて何になるねんな!


「じょ、冗談はおよしなさいレンス」
「失っ礼しました〜」
マリーミは笑って言った。そして「あたし用意してきますね」
と、隣の部屋に行ってしまった。
そしてすぐにマリーミは出てきた
「ジャジャーン!これ、どうですか?」
新調した水着を着ている・・・って言うか、いつ新調したんだ?
しかもそれは、俺にとって絶妙に大胆だった。
「はいっ 何でも流行ってる…そうですよ?」
しかしそれは、何ともお尻が出てる、つまりTバックだ。
「ほらほらっ♪ステキでしょ?」
ああ、ステキやな・・・って! 俺は、俺の…あのその…
布団から出られへんやんか!


これが女神と暮らす人間の試練と言う奴か…
俺はこれから先に起こる事を考えると、頭がボーとして
そして色んな所もボーとしてきた事を思って途方に暮れた。


 お出掛けの前に。


出演:ひろけんさんサイトから、ヨシ&マリーミちゃんでした。


by belldan Goddess Life.