Solid Black 3.

コンビニ脇の駐車場へバイクを止めた。
ここは以前、俺とベルダンディーがバイトをしてた
コンビニだ。俺達は千尋さんの店で仕事をする事に
決まったので、その後人をどうしようか、と考えて
いた際、マーラーと会った。そしてマーラーがとても
食に窮していたので、ベルダンディーが店長に紹介し
マーラーは見事採用されたのだった。
ところが先日、コンビニの店長から電話があり
「マーちゃんが来ないんだ・・・」との苦情を聞いた。
そして俺達はマーラーのアジトを訪れ、不在を知った
と言う訳だ。


「こんばんはー」
俺は店長がレジ前にいたので声をかけた
「あ、森里君か〜久しぶりだね」
少々疲れ気味の声が返ってきた。無理はない、だって
深夜のシフトだったマーラーが来なくなって以来
シフトは乱れっぱなしだ。
「その後、連絡は無いの?」
「ああ、さっぱりさ…」
マーラーの真面目な勤務態度を買って、店長代理と見込んで
いただけに、実に残念そうである。
「俺達も方々探して、やつが急用で故郷に帰った事位しか
分からなかったんだ・・・」
「そうか…」
店長は実に残念そうにつぶやいた。


俺はカップ麺を物色し、3個買う事にした。それから
おにぎりも3個…何だかベルダンディーと出会う前に
戻ったような気がする。
買い物をレジで済ませ、店長に
「がんばってくださいね」と声をかけ店を後にした。
店の脇の駐車場まで歩いて、ふと思った。


何かが変わり始めている、と。




これは、数日前に起こった事だ。



「う〜今日も平和だなぁ・・・」
そろそろバイトに行く時間だな、と時計をみるマーラーのもとに
一通の電報が届く
「すみません・・ここにマーラーさんって方、います?」
マーラーの拠点は、いわゆる廃墟だ。
だからこんな所へ電報が配達される事が
あまりにも不自然な事で、配達員も困惑気味だ
「誰だっ!貴様は何者だっ!」
そう言って、いかにも怪しげな格好のまま・・・と言っても
それは魔属の正装なのだが
マントをヒラリとまとった、いかにもな感じの女性が現れたものだから
「ひっ!ひぇぇぇぇぇえっっ!」
驚いて配達員は、電報を放り投げて一目散にその場を後にした。


「なんだなんだ・・・失礼なヤツだな」
おや?と先程の配達員が投げ捨てていった、一通の電報を手にする
「これは・・・あっ!」
恐れ多くも、魔界長からの電報だ。とっさに平伏するマーラーだったが
よく考えると、これはただの通信なのだ。我を取り戻したマーラー
「なんだよ・・・まったく なんで電報なんだ?」

  

シキュウ キカンセヨ ヒル



「しかし何だ・・・って、ええっ!?」
みるみる電報が魔方陣を形成していく、かなり高度な魔方陣
その上にゲートが開き、マーラーはあっと言う間に吸い込まれて行った。




Solid Black 3.


by belldan Goddess Life.