Solid Black 9.

天上界ユグドラシルへ魔界ニグドクから連絡が入る。
ヒルドからのホットラインだった。
連絡を受けたオペレーターは戦慄する
「ペイオースっ!ヒルドから連絡が・・・」
ヒルドは手短に事の次第を告げた。魔界の戦闘部隊及び
マーラー率いる策敵部隊がある世界へ赴き消失した、と。


ペイオースはマップを展開し、拡大させてその地点を確認
しかしそこにはあるはずの世界が無い…ぽっかりと穴が開いた
空になったような空間だけが存在した。
ある世界の欠如?それとも世界間の飽和から始まった
いわゆるビックバン現象のようなものかしら?と訝った。
それと同時に、ここ天上界にも何か不振な影が近づこうとして
いる事が判明、すぐさまワルキューレ部隊が索敵を行った。
「一体何が始まろうとしているのかしら…」



ベルダンディーと螢一が作り出した世界の中、彼女から分光した
光はやがて人の形となりつつあった。
ユグドラシルは新しい女神、それもノルンの誕生かと喜びの声が
あがった。
然し全くの新しい試み、それ故に不安も付き纏った。
ウルドはベルダンディーのそばから離れず彼女を見守る。
ほどなくしてスクルドが地上界から戻ってきた。
「お待たせ〜」
あれ?でも何か雰囲気が変だな、とスクルドは感じる。
「ねぇねぇウルド?何があったの?」
「ふ〜あのね、マーラー達が消失したんだって」
「え?なんで?ねぇねぇ何で?」
「知らない…って言うか、目下探索中よっ」
「ふ〜ん…」



ベルダンディーは不安と喜びが交差する中、螢一の事を考える
今ここで起こっている異変、地上界に影響無ければ良いのだけど
両手を胸にしっかりと合わせ、螢一の事を念じる。
きっと大丈夫よね…きっと…
もうすぐ私と螢一さんが育んだ命と共に、そちらに帰ります。
「ねぇベルダンディー、あのさ、赤ちゃんを産む心境は?」
「ええ、とっても不安で…でもとても嬉しいの」
「ふ〜ん、でもさ、良いもんだね」
「はい」
ベルダンディーは微笑んだ。ウルドはその顔を見てエルダ
「星歌」の事を想い出す。それはまるで聖母の微笑みだからだ。


エルダ「星歌」は、ベルダンディースクルドの母である。
普段の姿は、その膨大な力がそうさせるのか、ユグドラシル
者でも見る事は出来ない。深遠で広大な存在、それが星歌なのだ。
この宇宙が存在する前から存在し、世界を構築、時の守護神を
生み、世界の秩序と作った。
普段の姿は、例えれば惑星クラスの大きさだと思って良いだろう
それ故に姿を見た者は皆無、という訳だ。


そして驚くべき事実なのだが、ヒルドとは姉妹でもある。



Solid Black 9.


by belldan Goddess Life.


今回登場した「星歌」、天龍騎さんのオジリナルキャラです。
それに私的設定をミックスさせました。天龍騎さん多謝です。


さらに追記:オリジナル視点を復活させて行こうと思ってます。
龍騎さんからお借りした彼のオリジナルキャラ「星歌」さんを
こちらのオリジナルキャラ「エルダ」として今後は使用していく
所存です。