Fall is here

朝が肌寒い季節になった。寝巻代わりにしてたTシャツに代わり
ちゃんとした寝巻をベルダンディーが用意してくれた。
秋って季節は、俺にはどうにも中途半端に思えて仕方ない。
それは雪国で育ったせいなのだろうか、印象に残る季節と言えば
やはり冬なんだよな。


そろそろバイクも冬支度って感じだ。
プラグも変えて、キャブのセッティングも変えて…
そんなこんなで、母屋の裏にある納屋で、バイクのメンテをしてた。
「日中は良いけど…ホント寒くなって来たなぁ」
朝日が昇り、程よく空に架かる頃には、そんな事も忘れてしまって
「あ〜やっぱり暑いや」って言うんだけど、それでも朝は寒くなって
否応でも季節の変化を感じてしまう。


季節の移り変わりを感じてしまう。


秋ってどんな季節なんだろうと、ふと考えた。
いろんな季節を、それは晴れの日も、雨の日もバイクで走って来た。
そのとき感じる一番のものは、風なんだ。
風は、遠くからどんな物でも運んでくれると感じた。
その中でもっとも感じるのは、やっぱり季節の風だな。
そうだ、ベルダンディーを誘って、ドライブに行こう。
「そうだ、良いかもしれない」


彼女の感じる季節は、その印象はどんなのだろうか。
俺に分からないものを、きっとたくさん感じているんだろうな。
それを聞きたいし、うん、何だか色々話が出来そうだ。
彼女が何を見て、何を秋と感じるのだろうかと興味は尽きない。
俺は納屋から母屋の縁側に回って、ベルダンディーに声をかける。
「ねぇ、ドライブに行かないか?」
でも、秋を感じに行かないか?とは聞けないよな…だって
だって、ちょっとキザっぽくないかい?


彼女のステキな返事を待って、俺の心は何気に逸っている。
何か良い事が起こりそうな気配を感じるんだ。
「はい、螢一さんっ」


彼女が「秋ですね」って言う。その時がきっと季節の到来なんだ。


Fall is here.


by belldan Goddess Life.