キャンディ・ポップ

恒例のミーティングと称して、あたしと仙太郎は
いつもの河川敷へと自転車を走らせた。
風が心地良い、季節が移ろうのを感じる。
夏が過ぎて、秋が来た。そして冬に備えて、あたし達を
優しく包んでくれているこの大自然が胎動するんだ。


「ねぇねぇ〜仙太郎ってば!『らき☆すた
終わっちゃったね〜」
ポケットから取り出したキャンディを彼の口に掘り込んで
スクルドは彼の反応を待った。
「ふん、しょわあだねぇ…」
「何言ってるのよっ!あんたってば…」
「あふぁ…って!スクルドが急にキャンディを掘り込むから
に決まってるじゃないか!」
大急ぎでキャンディを噛み砕いて、果敢に反応した仙太郎は
「んじゃ聞くケド…スクルドの感想は?どうなの?」


「ええっ〜質問に対して質問で返す訳?ずるくない?」
「はいはい、ズルイでしたっ!」
そんな会話をふたりで楽しんでいた。
仙太郎はどうしてもスクルドの事を、今で言うツンデレだと
解釈し、先の話でも出てた『らき☆すた』に登場する女の子
柊カガミと映し合わせてしまうのであった。
でも俺のスクルドの方が、一万倍可愛いぞっ!と彼は思うのだが
それをどうやって伝えて良いのか…方法が分からない。
分からないと言うか、最良の一手、神の一手が見つからないのだ。
ふたりで楽しんで、仲良く感想を述べていたTVアニメが終了し
何かとても感慨深いものを感じているのは、お互いに理解できる。
しかし、もう一歩踏み込む時期が来たのじゃないかと感じていた。


仙太郎ってば…いったい何を考えてるのかしら?
スクルドは反応を期待していた。
「ねぇ…何考えてるの?」 あっと…声に出ちゃったわよ。
「へっ?」
「へっ?じゃないわよっ!」
「ああ、ゴメン…何も考えてなかった」
「せ ん た ろ う〜!もうっ〜バカー!」


来たっ!これだよコレっ!これってツンの部分だよな?
へへん…これからデレが登場するのか…さてと
「そんな訳無いじゃないか…もちろんスクルドの事を
考えていたんだよ」
「え?ホント?マジ?ウソ付いてない?」
「ウソなんか付くもんか!」
そして俺は、声を大にして言った。


「俺は、ツンデレが好きなんだぁ〜!」


って…おぃ!



 秋の新番組に期待。


by belldan Goddess Life.